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2005年02月25日

Mugam Sayagi---Kronos Quartet

[音楽--music ]

Mugam Sayagi: Music of Franghiz Ali-Zade---Kronos Quartet
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クロノスカルテットの新譜。ジャケットが綺麗。
(2005年1月29日米国発売)
共演者のFranghiz Ali-Zadeはアゼルバイジャン生まれで今回の作品の作曲者。
彼女は、なんとYO-YO-MAが主催するSilk Road Projectのメンバーであり、The Silk Road Ensembleのメンバーでもある。The Silk Road EnsembleはNHKで今年のお正月から始まった「新シルクロード」の音楽を担当している事で有名だ。
クロノスのファンとしてこのCDを買った僕は後からこのことを知った。

で、中身はというとシルクロードアンサンブルのような音楽とはずいぶんと違う。
アゼルバイジャンはカスピ海の西岸にある国。場所としては、中国から国境を越えてパキスタン、イラン、トルコを経由してヨーロッパへ行く途中で、ちょっと寄り道したようなところにあるけれども、シルクロードとしても位置づけられる。けれどもここでのテーマはシルクロード(さまざまな響きの共演)ではない。
英語で書かれたライナーノーツを飛ばし飛ばし読んで見ると、それはアゼルバイジャンがもつ固有の文化ということのようだ。
アゼルバイジャンは、イラン・ロシア戦争で19世紀にロシア帝国に割譲。1918年の10月革命でアゼルバイジャン共和国を樹立するが、ロシアの軍隊(赤軍)により崩壊。1920年にソビエト連邦共和国となり、1991年のソ連崩壊から1994年までアルメニアとの紛争が続いた。
「gate of ancient East」として、アゼルバイジャンは、いや、アゼルバイジャン人は独自の文化を持っていた。その独自の文化がソ連崩壊後消に滅してしまう危機におそわれていた時、Franghiz Ali-Zadeは首都バクーで生まれた(1947年)。彼女は、アゼルバイジャンの音楽の探究を始める。
それはそれは困難な道だったようだ。(そうだろうな)
というわけで、このCDで聞かれるのは、The Silk Road Ensembleのぎりぎりポップな世界とは別のディープな世界。
日本人の僕らからはちょっと遠いか。

ちなみに、収録されている曲にはアルヴォペルトの曲を連想させるものもあり興味深い。
アルヴォペルトはエストニアの作曲家。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2005年02月25日 20:07

コメント

クロノスの新作ですか。聞いてみたいですね。
最近はフリージャズより、もっと刺激のある音楽が欲しくなっています。

投稿者 maida01 : 2005年03月01日 18:20

maida01さん こんにちは
さすがにクロノスは知っていますね。
でも、最初に彼らを聞いたときに比べると刺激度は減っているような気がします。
僕が彼らの紹介してくれる音楽になれてきたせいかもしれません。
個人的には前のチェロの人がいたときの方が好きです。

ところで、最近一番刺激的だった音楽はなんでしょうか。
テリーライリーの「in C」がCDの廉価版ででていたので買ってきたのですが
これは刺激的だった。以前にはテープを持っていて伸びちゃうほど聞いていたものなんですけれどもね。時間がたつと刺激のされる場所が変わってくるのでしょうか。ちなみに、刺激的だったジャズといえば、それはチャーリーパーカーでした。

投稿者 fuRu : 2005年03月01日 22:06