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2005年02月25日
ふりかえるという「仕事」
つながる電話。声を聞きたい相手は誰?
かからない携帯電話。携帯電話は必ず相手にかかる。
北海道には日本中のお雑煮がある。
開拓の地、北海道に人は集まりそして去っていった。
去った土地に舞い戻ること。
自分の息子の居場所が知らされる。
どうしてあずちゃんと知り合ったのだ?
自分の息子だからこそ否定してしまうことがある。
でも、それは自分の息子への甘えなのかもしれない。
正月を一緒に過ごそうと、飛行機の切符まで送ってきた息子。
雪の中を息子に会うために歩く母。
息子はいない。
親にまで見栄を張る馬鹿があるかい。
いや、息子さんは本当にお母さんとお正月を過ごしたかったんですよ。
桜の薪。良いにおい。なつかしい。それは、客人へのもてなし。
25年前に離農した男。この辺の唐松は私が植えたんですよ。
森の時計のある場所。そこは、かつてその男の土地だった。
さまになっている薪割り姿。山仕事。ソリの鈴の音。25年前、いや、50年前。
また来てくださいと森の時計のマスター。
道は近くなりましたが、私には遠い土地ですよ。
過去は噛み締められる。
正月休みに家族旅行で現れる昔の同僚。
たまの休暇を免罪符にすること。
それは、仕事を休むということを特別なこととして家族に押しつけていること。
そんな時間の過ごし方は、本当に家族と一緒に過ごしている時間といえるのだろうか。
昔の世界には戻るつもりはない。私には、ふりかえるという大変な仕事があるから。
それは、ちいさなまわりを見つめるという、そういう仕事。
息子は父への決意とともに制作に励む。今年の春に決意は試される。誰に?自分に。
そんな息子の姿を見守りながら、初詣のおまもりを、そっと息子の元に届ける父。
もう逢わない。そう拓郎に告げられる梓の切なさ。つながらない電話。切れる呼び出し音。
年が越える夜に。
<蛇足>
北島三郎と佐々木すみ江が山仕事を語るシーンは、短いなかに林業がたどってきた時間を描ききっていると思いました。
あのシーンは秀逸でした。感動的でした。
大竹しのぶは、回を追うごとに表情が深くなっています。
清水美砂は、回を追うごとに美しくなっています。
こういうのもすべて演出だとしたら、すごいドラマだなあ。
あと四回です。すでに名残惜しい気持ちです。
○第1話のこと「コーヒーミルと割れるお皿」
○第2話のこと「土をこねることと「結婚」」
○第3話のこと「一人でいきる」
○第4話のこと「お金と時間---境界線」
○第5話のこと「言う、言わない、言えない」
○第6話のこと「クリスマスの夜に」
○第7話のこと「ふりかえるという「仕事」」
○第8話のこと「みえない」
○第9話のこと「傷」
○第10話のこと「みられる」
○第11話のこと「つめこまれた時間」
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投稿者 furukawa_yasushi : 2005年02月25日 00:00
コメント
やけに静かだと思い外を見てみたら一面真っ白な雪です。
少しだけ富良野にいる気分になれました。
投稿者 Holy : 2005年02月25日 01:32
「優しい時間」が終わって、外を見たら一面真っ白でしたね。
もう三月だというのに、今年は不思議な年です。
投稿者 fuRu : 2005年02月25日 09:48
古川さん
資料届きました。ありがとうございました。
リフォーム前の画像、まるで、自分の家のようで、リフォーム後も思いえがいていた自分のプランとすっかり同じイメージで、
とっても不思議な気持ちです。
優しい時間、タイトルも素敵ですね。
最初から見れなかったので、再放送したら見たいです。
投稿者 reirei : 2005年02月25日 11:28
reireiさん
僕は全部見ているんですが第1話の録画を失敗してしまいました。
だから、やっぱり再放送を心待ちにしています。
たぶんフジテレビだから再放送はそんなに遠くないうちにあるかと思います。
投稿者 fuRu : 2005年02月25日 15:29
フルカワさん こんにちは
どんなに忙しくてもこのドラマだけは
絶対見ていますよ〜。
この回も、親子の絆・愛情というのが、
勇吉親子と東京からやってきたおばあちゃんの姿を通して、
対照的に描かれていましたね。
母性愛と父性愛の違い、なんでしょうかね。
ところで、脚本は毎回違っていることを
私は最近知りました。
倉本さんは原案だけで、脚本は複数人で行っているようです。
確かに今回のはちょっとテイストがちがったなーと思いました。
投稿者 sunneko11 : 2005年03月01日 14:45
sunneko11さん お仕事は一段落ですか?
>母性愛と父性愛の違い、なんでしょうかね。
そこです!さすがにするどい!!
僕もそれを対照的に描いている意図がいまひとつわからなかった。
母性と父性は違うのか、同じのか!?
ドラマの中で描くというよりも観る側に、その違いを大きく問いかけているようにも思えました。その部分が、実はしっくり来ていなかったのです。
でも、北島三郎と佐々木すみえのやりとり、すばらしいと思いませんでしたか?
なんだかそれだけでも、僕は涙腺がゆるんでしまいます。
ところで、このドラマは起承転結で泣かせるのではなくて、雰囲気で泣かせる不思議なドラマだと思いませんか?最近はいつも観ながら知らないうちに涙腺がゆるんでいます。(ただ単に歳をとったということでしょうか)
投稿者 fuRu : 2005年03月01日 22:20
やっと仕事がひとつ片付いたsunneko11です〜
>僕もそれを対照的に描いている意図がいまひとつわからなかった。
そうですよね。母性愛と父性愛をわざと出している感じでちょっと「??」でしたよね。特に
勇吉の北時計のママに対しての発言がちょっと違和感を覚えました。
なんか似つかわしくないというか。脚本が替わったからなんでしょうか。
むしろ、北島三郎と佐々木すみえさんの会話というか間合いがなんともいえなく物悲しかったですよね。。
私も泣けました、あのシーン(^_^;)
毎回、録画して見てはいますが絶対DVD買おうと思っています。
投稿者 sunneko11 : 2005年03月02日 20:46
>絶対DVD買おうと思っています。
今回のドラマはそう思っている人は少なくないと思いますよ。
投稿者 fuRu : 2005年03月02日 23:06