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2005年07月05日

宇宙戦争

[映画・ドラマ・舞台--movie/play ]

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宇宙戦争」を観た。
そこで、何を観たか。

まずはじめに。
これは、映画館で観るべき映画だと思った。
それも、出来るだけ大きなスクリーンで観るべきだと思った。

ストーリーは、すでに知れています。
H.G.ウエルズの小説が原作で
今までも何回か映画化もされているし、
類似のストーリーは山のようにあります。
そういう意味でも古典である物語だから、ストーリーテリングで見せる映画でないことは明らか。

では、僕は、何を期待して映画館に行ったか。
それは、映画の「強度」というようなもの。
映画の「強度」はどこまでいったのかしらということ。

観終わって感じたことはいろいろあります。
すでに、この手の映画に「物語」を求めるほうが間違っているのは、先に触れた通り。
映画は、ますます「物語」とかけ離れた表現として、自立している。

激しい破壊シーンやとてつもなくグロテスクな場面。
人間は捕獲されて、生き血をチュウチュウ吸われてしまう。

それにしても、この映画、観ているものをどうしようとしているのでしょね。

ともかく、観ている僕らの身体に反応を及ぼす過激な映像の数々。
その過激さの度合いが、僕が言うところの映画の「強度」なんですが
その「強度」を体感するには、やはり大きな映画館のスクリーンでないとだめなんですよね。
そして、僕が「宇宙戦争」で観たものは、映画の過剰なまでの「強度」でありました。
「物語」がこれほど欠落している映画も珍しい。「物語」が欠落している、それゆえに、映画の「強度」の存在が強調されているんですが。

ビデオがこれだけ普及して、今までつくられた映画のほとんどをビデオで(自宅で)観ることが出来て
そういう時代に、ひょっとして、映画館が生き残るには
こういう、映画館でしか表現できない、それはこの映画のように映画の「強度」をもった作品を作り続けるしかないのでしょうか・・・、などとも思ったりして。

ともかく、ぜひ映画館で観て欲しい映画です。

良いも悪いもない。映画の「強度」だけがそこにある。

それは、映画の偉大なる可能性なんだと、僕は思っているのです。

それにしても、映画の「強度」は、いったいどこへ向かってゆくのでしょうか、
いったいどこまでゆくのでしょうか。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2005年07月05日 08:30

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コメント

うむう。うむう。うむう。
映画館に行けない私ははがゆいですー。
うむうーーー。

投稿者 kazoo : 2005年07月05日 08:49

kazooさん
うむう、うむう、うむう。
でも、映画にしか語れない「物語」も、ちゃんと生き残っていってほしいと思って帰ってきました。

投稿者 fuRu : 2005年07月05日 09:04

fuRuさん、こんばんは
トラックバックとコメントありがとうございます。
なるほど、fuRuさんの「強度」という考え、設計者らしく構造の点からの発想のような気がして、すごく面白いと思いました。それに、この映画を題材して「強度」を説明すると納得します。
確かに僕もこの映画を今造る理由が何だろうかという気持ちをもって鑑賞しました。
物語についてはわからないのですが、実はスピルバーグにとっては、「シンドラーのリスト」、「プライベートライアン」と同じ路線でたどり着いた場所という感じも受けました。それは何かの相対化による、何かの薄めだと思ったのです。僕の場合その何かは「テロリズム」と思ったのですが、これは僕の考え過ぎかもしれないです。
fuRuさんの記事とても参考になります。ありがとうございます。

投稿者 Amehare : 2005年07月06日 22:59

Amehare さん こんにちは
Amehareさんの言うように「テロリズム」は、意識しないわけにはいかないのでしょうね。映画の中でもそういうやり取りありましたよね。「どこからのテロだ」「ヨーロッパからか」・・・。笑えませんでしたけれど。
実は、正直に言いますと、僕はスピルバーグ的ハッピーエンドはちょっと苦手なんですよね。今回のもラスシーンには、開いた口がふさがりませんでした。
ただ、今回の映画では、アメリカ万歳という(かつての「インデペンデンスデイ」という映画のような)が、なかったのが救いでした。
「大阪では2機倒したという話だ。」日本人もがんばっています。
そして、なぜか冒頭のニュースの背景にテレ朝の中継車が。
ディティールを見てゆくと変な映画です。

投稿者 fuRu : 2005年07月07日 09:21

fuRuさんの記事に触れ、コメントでも楽しくなり、もう一つの「宇宙戦争」感想記事を書きました。
調子に乗っていますが、もう一つの方をTBさせていただきます。

投稿者 Amehare : 2005年07月09日 00:13

そうなんです。映画館で見るべき映画とあったので、いつか行こうと思っていたのですが、、、。
今なら古川さんがここに書かれていることがよ〜くわかりますが、、、。(笑)

投稿者 中里一雄 : 2005年08月05日 17:05

中里さん こんにちは
ちょっと、責任を感じてしまいました。

映画の良さを知っている方が
映画の良さを期待してゆくと
「金返せ!」となること間違いなしです。

この事をちゃんと書かなかった私が悪かった・・・・・。
まあ、でも、僕がこの映画を通して言いたかったこと、
中里さんはわかってくださいますよね。

投稿者 fuRu : 2005年08月05日 17:42