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2005年09月08日

Arcade---John Abercrombie

[ジャズ--jazz ]

Arcade---John Abercrombie
1978年12月14、15日 録音
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ジャケットに書かれた「John Abercrombie」の名前を横目でみながら、学生時代にディスクユニオンでジャケット買いした一枚。
John AbercrombieはECMを代表するギタリストです。
初めて彼の演奏を聴いたのは
Jab Garbarekと共演した、やはりECMのレコードで「Eventyr」ですが、
そこでの彼のギター、及びマンドリンの、変幻自在な演奏と、色付けの豊かさ。
そして、青白く燃える激しさに、とても心打たれていた僕は
彼の名前が書かれたジャケットの、その美しさをみかけて、思わず手に取ったというわけです。

このレコードは僕がジャケット買いして大満足だった数少ない一枚ではないでしょうか。

その後、Jack DeJohnetteのグループでのライブ盤に興奮し
以来、僕は20年以上もJohn Abercrombieのフアンをやっているというわけです。

というわけで、このレコード、LP盤で持っていたのですが、何度聴いたことかわかりません。
学生時代に聴いていたジャズは幅広いのだけれども
繰り返し聴いていたのは、結局は4-5枚というところでしょうか。
このレコードもその一枚です。

さて、時代は変わってすでにレコードなんて聴く機械すら手元にない状態で
また、このレコードを聴きたかったのですが、CD屋さんでいくら探しても見つかりません。

それが、やっと2001年になってCD化されたのです。

なぜ、CD化がそれほど遅れたのか。
その真相は「ECMの真実」という本で明らかになります。

このレコードの録音の時、Johnは失恋の痛手で演奏など出来る心理状態でなかったのだそうです。
それで、ピアノのリッチー・バイラークは彼を元気づけようと
ハードバップなタッチの演奏をうながしたのだとか。
その演奏を聴いて、激怒したのがプロデューサーのマンフレッド・アイヒャー。
「ECMにジャズ・メッセンジャーズはいらない!」という言葉を吐き捨てたとか。
それを契機に、アイヒャーとリッチーの確執は深まり
リッチー名義のレコードは3枚ともECMのカタログから削除されてしまいました。
その一枚がこのレコードなのです。

一端削除されたレコードがどうして復活したの過疎の経緯は明らかではありませんが
LPレコードの時からのフアンとしては嬉しい限りです。

そして、こんな素晴らしいレコードが再び日の目を見ることになったのは
いちジャズフアンとしても喜ばしいことだと思います。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2005年09月08日 10:00

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コメント

ジョン・アバークロンビー・・・懐かしいですね。
ECMのサウンドは、彼女が部屋へ遊びに来たときの
思い出とあいまって、当時の匂いや光の記憶とともに
フワッと甦るレーベルのひとつです。
女性が部屋にいるときは、VerveでもBuleNoteでも、
BethlehemでもSavoyでも、ましてやImpulseでもなく、
ECMサウンドを何気なく流すんですよ。(笑)
これ、邪道ですね。

投稿者 Chichiko Papa : 2005年09月09日 20:10

Chichiko Papaさん
>これ、邪道ですね。

ハイ、邪道です。
でも、ECMの空気が見える女性って、とても知的ですね。
なんか、いいなあ。
そういう女性と二人きりで、ECMのレコードを聴いたことのないfuRuでした。

投稿者 fuRu : 2005年09月10日 14:56