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2006年09月20日
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」---J. K. ローリング
[books ]
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」
著:J. K. ローリング
→amazon
僕は何も知らなかった。
第一巻はファンタジーと冒険あふれるお話でした。
でも、この第五巻には、うーんと、うなってしまいました。
というわけで、ハリーポッターです。
上下巻で、日本語訳の総ページ数が1300頁をこえる大作です。
何が起こるか、はらはらどきどきですが
そのほとんどの頁で
ハリーは、まわりからの疎外感と孤独感に打ちひしがれています。
そこからくるポッターの焦りの気持ちが、この本全体に暗い影を落としています。
その姿が悲しいくらい悲しいですね。
自分の少年時代のことを思い起こします。
思いと現実のギャップを突きつけられ、ずーっと、じりじりとした焦りのような気持ちですごしていた。
僕は、その焦りの気持ちを、この本のポッターに重ね合わせていました。
僕にとって、この本はファンタジーなどではとうていとらえられるものではなかったのですね。
こんな世界が描かれている文学なんて、そういくつもあるものではないでしょう。
さらには、最後で落とす、ダンブルドアの涙には
深い深い愛情さえ感じてしまい
心底まいってしまいました。
それにしても、暗いですね。
でも、暗さでしか伝えられない大切なものがあるのですよね。
もちろん、ずいぶんと多くの方から指摘されている翻訳の問題。
ケンタウロスの色を「灰色」と訳すなど、僕でも間違えそうにない間違いなどあるようで困ったものですし、
日本語としても相当におかしい言い回しが目につくのは、もっと困ったことなんですが、
そうした、いわば翻訳書としての問題を補えるほどの世界がここにはあると思いました。
現在「謎のプリンス」を読み始めていますが、こちらも暗いです。
最終巻の第七巻は現在執筆中とのことで
作者であるJ. K. ローリングさんの公式HPで進行状況が語られています。(9月13日の日記)
○J.K.Rowlong official site(日本語の頁もあります)
タイトルとするべき候補がふたつあって、というようなお話しです。
発売はいつになるのでしょうか。
世界中が楽しみにしています。
最終巻の発刊に立ち会える、というのも、なかなか良いものですよね。
※新しいホームページで情報更新中!!
投稿者 furukawa_yasushi : 2006年09月20日 10:00
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コメント
謎のプリンスを、発売日に小学校から帰ってから上下刊を渡したら、
ろくに食事もしないでその日のうちに上巻を読み、
翌日の午後下巻を読み終わりました。
小学生も侮れないですよ。
そして、何度でも読み返す。
たくさんの伏線や小さなディテールを見つけ出す。
夢中の日々が続きます。
いろいろと今後の展開を、親子でうわさしています。
投稿者 りりこ : 2006年09月24日 19:51
りりこさん
僕も、もうすぐで「謎のプリンス」を読み終えます。
物語に張られた伏線が、どんどんつながるおもしろさ、確かに作者は念入りに計算して織り込んでいますよね。
全7巻の構想というのは、当初から、かなりしっかりしたものだったのだろうと思います。
うちの子は、いつ読み始めるだろう。
早く読んで欲しいと、密かに思っています。
投稿者 fuRu : 2006年09月24日 21:01