« 「セーラー服と機関銃」---相米慎二 | メイン | Nefertiti---Miles Davis »

2006年09月27日

「人間はこんなものを食べてきた」---小泉武夫

[books ]

「人間はこんなものを食べてきた」
著:小泉武夫 日経ビジネス人文庫
amazon

マルコメみそのCMで菅原文太さんとみそ蔵で語り合っている
小泉武夫さんは発酵学者。
ご自身も福岡県の酒造家の生まれというから、発酵のまっただ中で育った方なのですね。

さて、「ああ、野麦峠で薫製」の記事にいただいた
わきた教授からのコメントに、この方の名前がありました。
その時は、まだマルコメみそのCMも知らず、不勉強でこの方の名前を知りませんでした。
というわけで、読んでみた一冊です。

まずは、冒頭の、原始人は虫をたくさん食べていたという話に驚く。
120万年-150万年前の原始人の糞の化石を調べてわかったのだそうだ。
カブトムシ、バッタ、タガメ、ミツバチ、スズメバチ、シロアリ、セミ、ゴキブリ。
うーん、すごい。
たぶん、むしゃむしゃ食べていたんでしょうね。
食の力、とでも言うべきものを感じてしまいます。
現代人は、その点では大きく退化しているのかもしれません。

というわけで、本書の内容は
そうした「食の力」と呼ぶべきものを
古今東西から集めてきて紹介しています。

特に、専門である発酵に関する記事を通して
人類がいかに、バクテリアやカビと共存してきたのかが語られて
感動的ですらあります。

現在、日本の食糧自給率は43%と言われていますが、実は20%程度だという意見があるそうです。
海外からの食料が、もし、途絶えたら、そう考えると恐ろしくなります。
そんな時に、僕らが失いかけている「食の力」こそが大切になってくるということ。
この本は、とても刺激的です。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2006年09月27日 11:05

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://af-site.sub.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/1003

コメント

fuRuさん、おはようございます。
この小泉さんって、おもしい人でしょ。
たしか、福島の造り酒屋の息子さんだったと思いますが、
すごい強靭な胃袋をされています。

投稿者 わきた・けんいち : 2006年09月29日 08:01

furuさん
この本は読んでなかったのですが、「食と日本人の知恵」を読んで大変感銘したことがあります。
そもそもは、昔フナ寿司がくさくて食べられなかったのに、今は旨いと何故思うのだろうか.....なんです
日本の食文化は本当に奥が深いと思います。この本も読んでみます。

投稿者 shin : 2006年09月29日 14:02

わきたさん
こんなにも面白い人を教えていただきましてありがとうございました。
強靱な胃袋、もそうだろうし、その知的好奇心と発想の自然な様が読んでいて心地よかったです。

shinさん
この本は、これから何かあったときのサバイバルブックとしても使えそうです。
特に食物の保存方法について、実にわかりやすく実例を挙げて描かれている部分が役に立ちそうです。

投稿者 fuRu : 2006年09月30日 00:00