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2006年10月17日

A NIGHT AT BIRDLAND---Art Blakey

[ジャズ--jazz ]

A NIGHT AT BIRDLAND---Art Blakey
1954年2月21日録音
amazon

「トランペット・センセイション!」と
ピー・ウィー・マーケットのアナウンスで紹介される
クリフォード・ブラウン。

もちろん、リーダーであるドラムスのアート・ブレイキーも
アルトサックスのルー・ドナルドソンも
ピアノのホレス・シルバーも、ベースのカーリー・ラッセルだって
すばらしい演奏をしているし、それが、このレコードをジャズの超名盤としているわけだけれども
クリフォード・ブラウンだけが、別次元。
当時から「センセイショナル」であり、
今なお「センセイショナル」である。

それは、フレージングの新鮮さ、斬新さ、とも言えるのだろうけれども
多くの新鮮さは時代が過ぎれば色あせてしまうものばかり。
50年という歳月をこえて、いまだに輝き続けているということが
言葉の比喩にとどまらず、まるで宝石のようである。

ルー・ドナルドソンの演奏が
いかにも1954年の古くささを持っていることが
陰画のようにブラウニー(クリフォード・ブラウン)の演奏を引き立てているということもあるが、
それだけじゃあない。

こうした、時代を超えた新鮮さを持った演奏は
ジャズの世界、名盤多しといえども希有な存在なのである。

我々の建築デザインの世界でも
目先の新しさ、斬新さを追いかけている風潮が、ある。
すぐに飽きられても、今、インパクトを持つ方が経済的に価値があるのだろう。
でも、こうしたデザインの、いったいどのくらいものが後世まで飽きられることなく残ってゆくのだろうか?
50年経っても、100年経っても愛される、
時代を超えて輝いていられるデザインとはどういうものなのか?

ブラウニーの演奏は、ジャズの世界で言えば、まさに永遠の輝きを発している。
単に斬新であるとか、そういうことだけではなく、
人の心を打つものがある。人の心をとらえて離さないものがある。

それは、一言で言ってしまえば「うた」ではないだろうか。
ブラウニーの演奏には「うた」があるのだ。

先日のユコトピアで効いたサンディさんのギターもうたっていた。

ルー・ドナルドソンはどうかといえば、「うた」というよりも
言葉は悪いが「てくせ」の演奏だ。
演奏のパターンに頼ってしまっている。
チャーリー・パーカーの亡霊に悩まされるアルトサックスの世界、
それはある種いたしかたのないことなのかもしれないが
「てくせ」は「てくせ」でしかない。

ブラウニーの演奏を聴くたびに
僕は、やはり「うた」を建築のデザインで唄いたいと思う。
そして、
そう思わせてくれる音楽にふれることも、僕の中ではとても大切なことなのだ。

輸入盤の方が入手しやすいかもしれないが
ジャケットが、あれれ、です。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2006年10月17日 11:10

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コメント

ブレイキーのこの時代の演奏、涙が出ます。
@カフェボヘミアがCDで出たときに買って大事にしていたのに、今ではつれあいのCD棚で迷子中。
@バードランドのCDは再発売でしょうか?久しぶりに聴きたくなりました。

投稿者 りぼん : 2006年10月17日 23:30

りぼんさん
こういうハードなのも聞かれるんですね。
秋の夜長は、この手のジャズを静かに聴いているのが極楽ですね。
とくに、クリフォードブラウンをいろいろ聞いています。

投稿者 fuRu : 2006年10月18日 09:25