« 表示されるまでに時間がかかりますので(BlogPet) | メイン | パンダクッキー »
2006年11月28日
パーシー・グレインジャー@明日館
[音楽--music ]
先週になりますが
アースダイビングの前の日、22日に
パーシー・グレインジャーの作品の演奏会があったので
自由学園明日館の講堂に出かけました。
自由学園講堂の窓からもれる光は綺麗ですね。
この演奏会は、昨年、テリー・ライリーを招いた
パシフィック・クロッシングの企画です。
パーシー・グレインジャーについては
私はまったく知りませんでした。
吹奏楽をやっている人は、著名な編曲者として知られているようです。
でも、その実態は霧の中。
パシフィック・クロッシング2006のHPを見ても
パーシー・グレインジャーがどういう人物なのかまったくわかりません。
山尾好奇堂で山尾敦史さんが紹介されています。
さらに、ウィキペディア(Wikipedia)をのぞいてみれば、いろいろなことが書いてあります。
かいつまんでメモしておきますと
1907年。作曲家グリーグの影響で、イギリスの民謡を蝋蓄音機で採集(録音)。
民謡の採譜と編曲。
1908年。ピアニストとして初録音。
女子運動選手のためのブラジャーのデザインをする。
1914年。アメリカに移住。---第一次世界大戦--
1917年。入隊。
1918年。アメリカ国籍取得
1922年。母の自殺。
1932年。ニューヨーク大学の音楽学部長に就任
1941年。エッセイ集「如何にして私は菜食主義者になったか」
晩年は、シュトックハウゼンに先駆けて電子音による音楽に深く関わり、70歳(1952年)まで、フリー・ミュージック・マシンと呼ばれる創作楽器を考え続けた。
1955年。「性(Sexuality)」に関するエッセイを書く
1961年。79歳で死去。
今回の演奏会は、グレインジャーのピアノ作品が中心なのですが
4台のテルミンのために書かれた曲も演奏されます。
私が、この演奏会に足を運ぼうと思ったのは、テルミンの演奏を聴いてみたいと思ったからでもありました。
○テルミン(Wikipedia)
テルミンの演奏の前、後半の最初に、たぶん1930年代の音源だと思うのですが、グレインジャーが録音した実験音楽を聴くことが出来ました。
テルミンもそうなんですが、この実験音楽も無音階で連続した音の変化に注目されています。
それは、五線譜に書くことが難しい世界ですから、図面記譜法も取り入れられていて
会場にはテルミンの作品の図面記譜で書かれた譜面も展示されていました。
解説の方が言われるには、もっとも初期の図面記譜の試みではないかということです。
民謡を採集し続けた、それも録音によって集めたグレインジャーには、音楽を五線譜に書き留めることに対する大きな違和感があったのではないでしょうか。
それは、音楽の近代に対する「大きな違和感」だったのかもしれません。
自然の音、自然に生まれた歌、そうした音楽に耳を傾けたグレインジャー。
グレインジャーのそうした耳は、ケージらのアメリカ現代音楽の源流なのではないかと思いました。
ピアノ作品で印象的だったのは
「不変のド The Immovable De」という作品。
3手のためのピアノ作品なのですが、ひとりは「ド=C」の音を淡々と弾き続けるだけです。
「ド=C」の音と言えば、テリー・ライリーの「in C」です。演奏を聴いて、私もすぐに思い浮かべました。
ライリーがグレインジャーを知らなかったと言うことはありえないでしょう。
こんなところに、川の流れを発見することも
音楽を聴く楽しみであります。
※新しいホームページで情報更新中!!
投稿者 furukawa_yasushi : 2006年11月28日 13:45
コメント
明日館の夜景もきれいですね。いつも、昼間ばっかりでしたから・・・。演奏会も多いですか?
投稿者 hirano-soft : 2006年11月29日 01:07
グレインジャーの作品は、アイルランド民謡の編曲や、牧歌的で明るい作品しか聴いたことがなかったので、是非行きたかったのですが…残念でした。
テルミン作品以外にも、聴きどころの多い演奏会だったようですね(テルミンは個人的に、一度生で聴いてみたいと思っているだけですが)。
世の中には、演奏機会は少なくても人を惹きつける素敵な音楽が沢山あるのだな。と思います。
そういう作品に触れる機会はなるべく逃したくないけれど、これがなかなか難しいですね。
投稿者 kompf : 2006年11月29日 03:33
hirano-soft さんこと親方さま
どうもこんにちは。
明日館周辺の夜景はすこぶる綺麗ですよ。
演奏会もしょっちゅうやっていますので、今度機会がありましたらぜひ。
ちなみに、明日館では金曜日の夜は夜間見学会もやっていますからそちらもお勧めです。
kompfさん
いろいろ資料を探って調べるよりも
こうして実際に聴くチャンスがある方がよくわかります。
まさに、百聞は一見にしかず。
最初は何も知らずに不安だったのですが、行ってみればいろいろ教えられることも多く良い経験でした。
グレインジャーの作品はどれも素敵でしたよ。
ところで、「テルミン」でググってみますと
いろいろな人がホームページをもっていますね。
演奏会も関東圏ならば意外と多いのにも驚きました。
投稿者 fuRu : 2006年11月29日 09:47