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2007年07月20日

THE WAY UP---PMG

[ジャズ--jazz ,音楽--music ]

THE WAY UP---Pat Metheny & Group
2005年
amazon

あんなに苦手で違和感を感じていたパット・メセニーが
こんなに自然に聞ける自分に驚いています。
このアルバムが、というのではなく
ともかく、メセニーの演奏に自分が自然に入っていけるようになったのです。
人というのは、ある日突然、苦手なものから解放される。

もちろん、ブラッド・メルドーとの共演を聞いていたことが大きいのだと思います。
メルドーとの演奏が、私の中にあった
どうしても見つけられなかったパズルのピースを見つけてくれた。
メセニーと私は、それ故、こうしてつながることが出来た。

みな、誰もが、見失ってしまった一枚のピースを探しているのかもしれません。
その一枚のピースは、しかし思いも寄らぬところから
まるで予言されたみたいに現れることがあります。

そして、私は9月のメセニーとメルドーの演奏を
より楽しむ歓びに導かれているのでしょうか。

日本語版のライナーにあったメセニーの言葉を覚え書き。

この音楽は、一種のプロテスト・ミュージックなんだ。何に対してのプロテストか。今世界はより狭く、小さくなり、細かい気配りをする余裕もなく、大ざっぱに物事を処理する方向に向かっている。その現状に対してもっと長い目をもとう、もっとディティールを、もっと統括的な音楽を、という提案をしたかった。以前は本来8分ある曲を、4分に縮めなくてはいけないというプレッシャーに悩まされていたけれど、今は携帯の着信音に代表される、たった2小節が音楽のゴールになっているのだから。それでいいのか。メセニー・グループは、もっと長い形でぼくたちの音楽的アイデアをサウンド化したいと考えた。

大きなことから小さなことまで幅広い視点で物事を見ることが失われてきている。
レンジを広く持って世界を見る目が失われてきている。
被写界深度がみな一定になっていて、遠近法が効かない、近視眼的。
画一的な視点、多様性の喪失。
メセニーの言葉に共感します。

QUARTET---METHENY MEHLDAU

それにしても、あんなに苦手だったメセニーをこれほど自然に聞くことが出来なんて。
人は変わる、のですね。

「古川のやつめメセニーなんて聞きやがって」とか言って
石なんて投げつけないでくださいね。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2007年07月20日 12:00

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コメント

もう十年以上ですが、私もメセニーは最初はダメでした!
あの音色、エレキでもナイロンでも一緒・・・芯の無いボヤけた音!
オマケにフルアコをフニャフニャピックで弾く?
でも、アルバム、ファーストサークルを当時聞いた時、ぶっ飛びましたぁ!
なんてスケールの大きい曲!オマケにギターソロはナシ!
ライルの音数の少ないソロがまた・・・ドラマチック!
このアルバムがキッカケで、以降、私はメセニーにドップリです!

投稿者 chacha hide : 2007年07月20日 23:19

chacha hideさま
いっしょですねえ。
最初苦手であとからはまる。
私は、まだまだメセニーのほとんどを聞いていないのですが
これから開拓する楽しみが増えました。
こういうのって、楽しいですよね。

投稿者 fuRu : 2007年07月21日 09:41

自称メセニーフリークですが、ここのところサボっており、
このアルバム聴いておりませんでした、、、(汗
私は、初期の頃のメセニーには興味が無かったのですが、
ブラジル系に走ったStill Lifeの頃から虜になってしまいました。

>大きなことから小さなことまで幅広い視点で物事を見ることが失われてきている。
パノラマを撮るときも注意が必要ですね、、、(反省

投稿者 keiji : 2007年07月25日 12:32

keiji さま
コメントありがとうございます。
NOKIA N73はブルートゥースでマックと快適につながっております。
さて、メセニーフリークですとな。
この最新(!)アルバムは、意見の分かれるところでしょうね。
私のような雑食の現代音楽からジャズ、ラテンまでの音楽好きにとってみますと、面白さ倍増で、今までのメセニーが薄っぺらに感じるところですが、そうでないとスかを引いたような感じになるのかもしれません。
図書館で借りて聞いてください。

投稿者 fuRu : 2007年07月25日 18:54

最初苦手だったアーティストがある事がきっかけで好きになった事は僕も多々あります。苦手意識がなくなると逆に大好きになったりもします。
ただメセニーは昔から大好きです。PMGは当然好きですが、マイケル・ブレッカーやディジョネットや、最近ではメルローとのアルバムでのプレイetc.を聴くと、JAZZの将来はこの人に託されていると言っても過言ではないと思えるほどです。で、このTHE WAY UP。傑作です。いらっしゃいませ。ようこそ、メセニーワールドへ。

投稿者 スナフキン : 2007年07月27日 23:48

スナフキンさま
おお、そうですか、以前からのメセニーフアンなんですね。
私も、アメリカンガレージくらいから聞き直していますが
ラテンの感じが入ってきた頃からの方が、何となくなじめます。
それにしても、このCDはすごいですね。
このCDのツアーが日本にも来ていたんですね。
こういうのは、遅れて知るとちょっと残念です。
でも9月のメルドーとの来日はチケットとりましたよ。

投稿者 fuRu : 2007年07月28日 01:21