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2007年09月12日

家から発信する--外へつながる家

[a-家づくりについて---house_making ]

家にはどのくらいの広さが必要か?昨日の続きです。

この写真は私の設計したshijimi_Houseの地下室です。
昨日のsakura_House同様こちらも建築面積が7坪です。

というわけで、7坪の家で何が出来るのか、という もう一つのお話です。

ちなみに、アトリエフルカワは小さい家を専門に設計している設計事務所ではありませんのでお間違えなく。

さて、このお家の建て主さんは
興味と関心をもっておられる現代アートを
自分の家から発信したいというご希望を持っておられました。

具体的には、現代アートの展示ギャラリー、モダンダンスのパフォーマンスができるスタジオを持ちたいということです。

7坪の家のどこにそんな余裕があるのか。
それが、今回の私に課せられた課題でした。

地下室を設けても、
地下階-7坪、1階-7坪、2階-7坪、ロフト-3.5坪です。
そのなかでどのように考えてゆくか。

地下室にアートギャラリーを設けて玄関からの直接のアクセスが出来るようにする方針はすぐに決まりましたが、狭小地ですから道路からのプライバシーの確保も必要です。

そこで、玄関ホールをたっぷりと確保。
もったいないようですが、吹き抜けも作って地下室にも明かりをとりこむ。
そこが、ある時はプライベートな玄関であり
ある時はパブリックな玄関になるように
大きな建具を移動する壁のように考えた仕掛けで実現しました。

この無駄なように見える空間は
地下に明かりを取り込み
道路からのプライバシーを確保し
さらには、地下室をギャラリーとして使う時の作品の搬入口にもなるわけです。
そして、玄関脇に大きな開口を設けて
実質6帖のダイニングキッチンも決して狭く感じないようにしています。

少し無駄かなと思える空間も
実は住まいとして生き生きとさせるには大切な空間にもなりえるということです。

家の設計とはバランスです。

小さい家こそ、バランスが大切になってきます。
そして、そのバランスとはお決まりのものではなく
それぞれのご家族ごとに個性あるもの。
その個性を引き出すのが、家を設計するということなんです。

<追記>
shijimi_Houseが「shijimi studio」として活動を本格的に開始したとのことです。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2007年09月12日 09:15

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コメント

fuRuさん、今日は!
久しぶりに我が家のお話の記事を読みました。
宣伝の手助けする訳ではありませんが(笑)この空間は本当に成功していると思います。
あのとき、家族でもこの玄関とドライエリアとなる空間をどうするかもめて、階段を取付けることになるまで。。いろんな事をみんなで考えて、fuRuさんとも何度も相談をして決めましたね。
でも、それが本当によかったなと思います。一つ一つ納得できているから、更に実感も湧きます。
バランス。
これは非常に大切な事ですね。狭小であれば狭小らしい空間バランスが住まい自体をより豊なものにしてくれると思います。
追伸:地下は現代アートのギャラリーとしての機能を存分に持たせながら、通常は伯母と私のアトリエなんですよね。伯母(私にとってはパトロン:笑)のパッチワーク教室がホントはメインなんですけど、どうしてもイベントの方が目立ってしまいますね(笑)

投稿者 shijimi : 2007年09月22日 18:43

shijimi さま
実際に使っていただいてからのコメントはとても嬉しいですね。
ありがとうございます。
設計というのは
限られたスペースをどのようなバランスで組み立てなおすかにつきるのだと思います。
そのバランスのさじ加減で、美しくもなり醜くもなる。
醜い空間にならないように、さらに頑張ってゆきたいと思うばかりです。
ありがとうございました。

投稿者 fuRu : 2007年09月23日 17:27