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2007年11月14日

山澤清さん、上京

[いろいろ--misc. ]

山澤清さんが愛媛から上京されているというので
宿泊先の飯田橋のホテルまで出かけました。
山澤清さんは脳性まひで左半身が不自由な70歳のおじいちゃんです。
70歳のおじいちゃんが一人で東京に出てくるということがそもそも驚きですが
不自由なお体を考えると驚異的。
その行動力はどこから湧いてくるのでしょう。

山澤さんとお会いするのは何年ぶりでしょうか。
思えば、中学高校と同級だった名川君からの紹介でした。
名川君の正式な肩書きを調べたらこういうことになります。
「国立大学法人筑波大学大学院人間総合科学研究科心身障害学専攻 講師、障害科学系」
詳しくは語れませんが障害のある方たちについて考え研究しておられるということです。
そして、山澤さんは愛媛大学で聴講生をやりながら
実際の建物や町のバリアフリーについて自らの体験から検証しています。

見せていただいたのはこの夏に発表したレジュメです。
松澤さんの住む松山周辺の町の様子や障害者向けのピクトグラムの表示のさせ方など検証されていました。

ホテルの喫茶で1時間半ほどお話していたのですが
一番興味深かったのは災害時の仮設住宅についてです。

ここのところ続いている新潟の地震では
大勢の被災者が仮設住宅での生活を余儀なくされています。
山澤さんの友人も十日町で被災されたのだそうですが
仮設住宅にバリアフリーの考えがまったくないことが大きな問題だと言っていました。

仮設住宅と言うのは長期間生活することは考慮されていません。
よって身体が不自由なお年寄りなどの生活については短期間であるがゆえに我慢してもらうという考えで、出入り口、水まわりへの配慮はまったくないと言って良い状況です。
しかし、この新潟の地震で明らかになったのは被災者の高齢化で自宅の建て替えがままならないために仮設住宅での生活期間が長期間(3年以上)におよぶということです。もちろんこれは想定外のことではあったのでしょうが、今後、災害が発生した場合には、被災者の高齢化は避けられず、仮設住宅といえども長期的な生活を保証してあげる必要が出てくるのです。

この話を聞いた時に、身障者対応の仮設住宅の組み立てキットを各自治体が必要なだけあらかじめ用意しておくことの大切さを感じました。また、身障者用の仮設住宅のキットが現状において無いのであれば、早急に開発する必要があるでしょう。

これは、我々が力を合わせて考えてゆかなくてはならない問題だと思いました。

というわけで、松山のお土産などもいただいてしまいまして
ホテルのロビーにあったクリスマスツリーの前で記念写真を撮りました。

山澤さん、末長くお元気でご活躍ください。

山澤 清 さん(2004年05月26日)


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2007年11月14日 16:30

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コメント

叔父のことを取り上げていただきありがとうございました。

投稿者 山澤満 : 2009年10月06日 22:54

山澤満さま
甥御さんからコメントをいただけて嬉しいです。
山澤清さんはその後おかわりありませんでしょうか?
便りのないのは良い知らせと思っていますので
お元気のことと思いますが、よろしくお伝えくださいませ。

投稿者 fuRu : 2009年10月07日 11:06