« めいろ | メイン | 山澤清さん、上京 »

2007年11月13日

「住宅論」---篠原一男

[books ,建築--architecture ]

「住宅論」
著:篠原一男 SD選書
amazon

「住宅は芸術である」という言葉の響きに
驚きながらページをめくっていた学生時代から四半世紀が経とうとしている今
何だか気になって、もう一度読み返してみました。
初出一覧をみて驚いたのが1958年から1970年にかけて書かれたものだということ。
篠原一男、33歳から45歳にかけての文章なんですね。
読み直してさらに驚いたのは、いまでも十分刺激的な内容だったということです。

今考えそしてこれから実現しようと意図しているいくつかの住宅も、しかし、日本建築の伝統的な空間構成との激しくそして苦しい対応の過程で見いだされた私の思考と方法の拠点の上にすべて構築されていると信じている。日本の建築界のように、あわただしく流行の主題を追う風土のなかで、私はあえて古い日本の伝統との対応の繰り返しを続けてきた。このことを少しも後悔していない。それは何ものにもかえがたい貴重な時期であったと今あらためて思う。(あとがき)

すべてはこのあとがきの言葉に表れているとおり。

建築の空間を追求するよりどころを探るどん欲なまなざしは時間を超えて響いてくるものなんですね。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2007年11月13日 14:00

コメント

僕も読み返してみようかしらん♪

投稿者 ピョン太 : 2007年11月15日 13:39

ピョン太さま
全然古くさくないですね。
ピョン太さんもきっと発見があると思いますよ。ヽ(^。^)ノ

投稿者 fuRu : 2007年11月15日 14:13

奇遇ですね
一月ほど前に読み直した一人です・・・・・・他界されたときから読み直そうと思っていたのですが。
私も刺激的でしたね。
内容よりも、建築家として、すごく力強い精神というか気骨を感じる文章で凛とさせられました。

後半の文章がよく記憶されていなくて難解であったと読む前に記憶していたのですが、なんと
今回初めて気がついたのですが、落丁でページが入れ子しかも数ページ欠けていました!
と恥ずかしい事実にも何十年ぶりに気づいたりです・・・明倫館で古書で購入したので、前所有者
も気づかずじまいだったというわけです。

投稿者 ishiakwa : 2007年11月15日 18:43

ishiakwaさま
そうでしたか、ほんと、奇遇ですね。
それにもまして、この本には時代を超えた魅力があるのだと思います。
そして、その魅力とは篠原さん自身が持っている気持ちの強さからきているのだ感じました。
しかし、落丁本だったとは。
これは、災難だった、というわけですね。

投稿者 fuRu : 2007年11月15日 23:44