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2008年01月22日

「川の地図辞典」---菅原健二

[a-家づくりについて---house_making ,books ]

「川の地図辞典」
著:菅原健二 出版:之潮
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<敷地を知る-1>
こういうブログをやっていると自分の生業が一体なんだかよくわからなくなりますが、私は建築の設計をやっているわけで、その建築の設計をするにあたり、とても重要なことは、建物が建つ土地の状況を良く知るということです。

私の場合には、まずその土地が、かつて人が住んでいた場所かどうかを調べ、その次に近くに川があれば、その川を中心として地形を読み、河川敷であった可能性などを考えます。
その時に、明治くらいの地図があると大変参考になるわけです。
明治期くらいまで、人が住んでいた場所というのは、それなりの理由があって住んでいたんだと思うのですね。もう少し時代をさかのぼれば縄文期まですすんで、まさに「アースダイバー」の世界になるのですが、そこまで行かずとも、そうした地形から歴史をさかのぼり、そこでどのように人が営んできたのかを知るということは、その土地の状況を知る重要な手がかりになります。

ここでポイントは、明治と現代、そして川筋です。

アースダイバーの端くれとして、そんなことを日ごろ考えていたら、masaさんのブログ「kai-wai散策」にて、とても興味深い本が紹介されているではありませんか。
この本は、多くの方の琴線に触れたようでコメント欄も大変な盛り上がりを見せておりますが、私も遅ればせながら、この本のご紹介をさせていただきたいと思いました。

まさに、これは、明治と現代、そして川筋をつなぐ本なのです。

最初の写真は、たわいもありませんが私の事務所周辺の部分を広げてみたところです。

ところで、この地図の素晴らしいところは

1、明治の地図と現代の地図が隣り合わせでつづられていること
頁をぱらぱらめくることで、明治と現代を瞬時に行き来出来ます。
先の写真は、明治時代と現代をいっぺんに見ようとしているところです。(^_^)

2、川筋を追うためのインデックスが丁寧に用意されていること
一枚の地図では川筋を追うことは無理ですから、何枚かにわけられた地図を数珠のようにつなげて見てゆく必要があるのですが、地図の川上と川下にそれぞれ上流下流の地図の頁が書き込まれていて、我々はその数字を追うだけで、その川の全体像を知ることが出来るのですね。

これに加えて、辞典として川や水源となる池などの情報がしっかりと書かれているので、その川の地理的、時代的な点で、その全体像を掴みやすくなっているいえましょう。

この本は、私にとっては土地を読むための基本資料としてこれから活躍してくれそうです。

ちなみに、私が住む東久留米市の浅間町は、掲載されている地図の西の端からちょうどこぼれ落ちたところになっていて表示されていませんでした。私の住むところは東京の最西端、Far Westなのかな?

すでに、この本を紹介している記事はたくさんありすぎてリンクするのが大変ですので、ここはひとつ横着させていただいて、脇田建一さんの記事をリンクさせていただきます。脇田さんの記事から関連記事に跳べるようになっていますので、ご興味のある方はぜひ一読されることをお勧めいたします。

『川の地図辞典』(その3)-“ご近所ブログ界”の展開-」(Blog版「環境社会学/地域社会論 琵琶湖畔発」)


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2008年01月22日 10:00

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コメント

さっそく買います♪

投稿者 ピョン太 : 2008年01月22日 11:55

ピョン太 さま
絶対におもしろい本です。
これをおもしろがることが出来ない、って、とっても寂しいことだと思いますよ。

投稿者 fuRu : 2008年01月22日 12:50

待ってました!です。お約束構図(^^;での本、ならびに拙ブログを紹介いただき、ありがとうございます。当方からもリンクさせていただきました。

投稿者 masa : 2008年01月22日 14:42

furuさん、拙ブログのエントリー、リンクしてくださりありがとうございます。
私のほうも・・・です。

投稿者 わきた・けんいち : 2008年01月22日 15:43

masa sama
お正月から珍しく本の紹介をされていて、やややっ!と思っていましたら、なにやら「ピン」と来るものがあったのですね。それは、もう大正解で、面白くて楽しい本を紹介していただきましてありがとうございます。

投稿者 fuRu : 2008年01月22日 23:33

わきた・けんいち さま
これも、アースダイバーの諸先輩方のお導きでしょうか。
ああ、大地と川が呼んでいる!

投稿者 fuRu : 2008年01月22日 23:35

他のblogでfuRuさんの、お名前になじんでいたのでしたが、こちらにいらしたのですね!数日前にコメントを送ったつもりが、失敗したようで、遅くに名前出し失礼いたします。『川の地図辞典』取り上げて下さってありがとうございます。Amazonへリンク出来るようにして下さってありがとうございます! ところがAmazonに初めて本を納品したのですが、届いているやらどうなのやら、ネット苦手の川好き男女は、もたもたしているのです! Amazonに注文して下さった方に悪い、です。 fuRuさんの紹介文とてもすばらしい!学校の用語で言えば、感想文がすばらしい紹介文になっているのですね。使って下さる方の文章っていいですねぇ。ノーガキかましたような文って、ウソ(虚構)につながる場合がありますもの。

投稿者 川好きonna : 2008年01月25日 23:45

川好きonna さま
まさに、「使える本」という確かな手応えがこの本にはあって、そこのところ、ポイント、とても高い。masaさんが紹介するだけの本ではある、というのがこちらの正直な感想。とすれば、様々な世界に目の肥えたmasaさんへの私からの大きな信頼があってのこと。
それが、やはり、建築の世界でいうと、秋山さん、玉井さんら諸先輩方を含めて多くの人の心を捉えたのだと思います。
ブログが、ただの表面的なつながりを越えて、人と人を深くつないでくれる道具になるかどうかは、こうした人と人との信頼関係があってこそ、などと、考えてみればあたりまえのことを、この本を通して、今更ながらに考えてしまいました。
そういう意味でも素晴らしい本ですね。

それにしても、16日の記念ウオークに参加できないのが、ますます残念!!!!!

投稿者 fuRu : 2008年01月26日 00:08

fuRu様
3月16日不参加の件は、之潮宛てのメールで、わざわざご連絡下さりありがとうございました。またの機会を作りましょう。3月16日に、ご近所ブロガーさんたちとfuRuさんの事を相談して、ね。 
>様々な世界に目の肥えたmasaさんへの私からの大きな信頼があってのこと< 
それぞれの世界にこえた目をもっておられる方々と信頼関係で、つながっていけ、自分の目も成長できる道具となっているブログを作って頂いてありがとうございます。

投稿者 川好きonna : 2008年01月26日 11:59

川好きonna さま
>・・・自分の目も成長できる道具となっているブログを作って頂いてありがとうございます。
いやいや、私なんぞは、その末席に、ちょこんと座らせていただいているまででありやんす。
16日はみなさまにもよろしくお伝え下さい。

投稿者 fuRu : 2008年01月26日 19:23