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「yagen_House」では、融資の関係で
工事費の支払い条件で工務店さんに無理をお願いしています。

住宅ローンは原則として
完成してから融資が実行されますが
注文住宅の場合には完成までに工事費の半分以上を支払うことが普通です。
その中間支払金は資材を購入したりと現場を動かす資金として使われます。
その中間支払いがないと現場はうまく動かないのです。
ですから、今までは金融機関が住宅ローンとセットで中間金のためのつなぎの融資をしてくれるなど、その点を補うサービスがありました。それが、ここに来てつなぎ融資が原則無理になってしまっています。

金融にたいする政策の一環なのでしょうが、中間支払いを前提として仕事をしてきた工務店にとっては大変な状況になっているわけです。

ローン関係の人は、完成時の一括支払いに応じられないところは財政的にゆとりがないところだからそういうところに工事を依頼するのは問題だ、とまで言います。
しかし、私たちは一件一件の家を注文に応じてつくっているわけです。一件一件の家を大切につくっている、そういう作り方を大切にしてくれる工務店というのは、請け負った金額で損失が出ない範囲でよりよいものをつくってくれる気持ちで仕事を受けてくれるところがほとんどです。そういう工務店こそ「良心的な工務店」だと私は思うのですが、そうした工務店さんは、儲けは少なくともよりよいものをつくるという気持ちで仕事をしてくれているわけですから、財政的なゆとりをつくるほどの儲けは残念ながらでていない。これもすべて、建て主さんに対しての最大限のサービスを心がけているからなのですが、その姿勢を否定されるようなローン関係者の発言には困ったものです。少なくとも私たち設計者が、そうした誤解を解くように一人一人の建て主さんに説明して納得してもらう以外ないのが現状なのです。

今回も、たまたま工務店さん側で資金的な都合が付きそうだということで受けていただける約束が出来ましたが、継続的に受けることが出来るわけではないのです。

今後、ますますこのような状況が普通になってくると、私が言うところの「良心的な工務店」は経営が難しくなってしまうわけで、これは限られた予算で良いものをつくりたいという設計者としても大変な時代がきたのだといわざろうえません。