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2008年12月19日
「できそこないの男たち」---福岡伸一
[books ]
「できそこないの男たち」
著:福岡伸一 光文社新書
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福岡伸一さんの、またまた面白い本。
男は遺伝子をバラまくために存在している。
本書の骨子はそこにあります。
男は遺伝子を撹乱するために女性の変種として発生する。
アリマキの単性生殖を基本とし必要な時に雄が現れるという事例には少しびっくりしましたが、生物の種の保存から言えば、生存の可能性を広げるという意味では遺伝子の撹乱は重要な戦略となります。その撹乱の役目を果たしているのが「男=雄」であるというわけです。
だから男は、むやみに遺伝子をバラまきたくなる衝動に突き動かされている・・・ふむふむ。
まあ、それはともかく、本書で一番刺激的だったのは、あとがきに書かれている、著者独自の「余剰の起源」についての考えです。
「男=雄」は「女=雌」と交わって遺伝子を撹乱しなくてはなりません。交わるためには男は女の気を引かなくてはならない。しゃにむに捧げものを手に入れ女性の気を引く男たち。しゃにむに集めるものだから、ちょっと余ってしまうこともあるわけで、それが余剰の起源ではないかと自説を説いています。
この考えには、なるほどと思いましたし、資本の起源もそこまでさかのぼって考える必要があるのだろうなあとか、そんなことまで考えました。
生命とは人間も含めて余剰を抱えてしまった存在なんですね。
なんだか、世界観も変わってしまう、そんな刺激的な本でした。
※新しいホームページで情報更新中!!
投稿者 furukawa_yasushi : 2008年12月19日 10:15
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