af_blog

この映画を観て、なんだかなあ、と思われた方もいるでしょう。
でもやぱり、良い映画だと思います。

批判される方の論点は、この映画が楽観的すぎるということではないかと思います。
たしかに、汚すだけ汚しておいて700年後に帰ってくるなんて虫のいい話があるものか、なんですが、一方、人間の力で地球を復活できないほどのダメージを与える、なんて逆に言えば人間の奢りのあらわれなんじゃないかとも思うのです。

人類は、遥か遠い宇宙で、汚すだけ汚して後にした地球に植物が育ち始めていることを知ります。
この時を待っていたのです。
そして、いざ帰還という時に、プログラムされたロボットたちに帰還を阻止されるはめに。

この時に
ウォーリーとイヴとともに活躍するのが故障中のロボットたち。

柔軟に可変可能なプログラムの大切さ。プログラムを無視することの大切さ。
故障中であったが故に、他の大勢のロボットのように「まちがった」プログラムに従わずに済んだのですね。

ストーリーのあちこちにちりばめられたメッセージ。

それらのメッセージは、強烈な破壊兵器を携えて最初はとっても怖かったイブが
場面の展開とともに、ウォーリーと心通わせるようになってゆくという
絶妙のストーリーテリングにのって
そうしたメッセージのひとつひとつが観ている我々の心に飛び込んできます。

深い深い愛情とその誕生の物語。

すばらしい映画でした。

○「WALL・E」公式HP