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2011年06月03日

住宅医スクールがはじまりました

[a-家づくりについて---house_making ,リフォーム--reform ]

昨日から「住宅医スクール東京」がはじまりました。私も受講生として通年8回の全24講義に参加しますが、昨日がその第一回目でした。

「住宅医」とは、住宅の改修工事に先立ち行う住宅診断の専門家のことです。建築家の三澤文子さんが中心となって、イギリスなどの「建築病理学」を参照しながら体系的な方法論として確立しようとしておられます。「住宅医スクール」では、そうした知識や手法を学ぶことができますし、広く「住宅医」を育成してゆくことを目指しておられます。

「建築病理学」「住宅医」については、このブログでも紹介させていただいた「木の家リフォームを勉強する本」に詳しく紹介されていますので、興味のある方はご覧になってください。

その「住宅医スクール」は名古屋が先行して2009年から開講していますが、東京でも今年から始まったというわけです。

昨日の第一日目の講義の内容です。

第1講義「木造建築病理学の必要性」講師:三澤文子

三澤文子さんが建築病理学を岐阜県立森林文化アカデミーではじめられた経緯と、建築病理学にもとづいた住宅医制度の必要性について。そして、建築病理学にもとづいた耐震性能改修工事と温熱環境性能改修工事の実習事例の紹介。住宅医に必要な建築病理学のイントロダクションでした。

第2講義「木造建築物の耐久設計と維持管理方①」講師:中島正夫

建築病理学の歴史。英国では建築病理学による住宅診断と評価が大変重要であること。それは、住宅市場の取引が中古住宅(ストック)中心であり新築は全体の12%程度に留まるため、中古住宅を適切に評価することが社会的に求められているため。日本でも新築中心から中古住宅中心へと社会が変わってゆこうとしている。日本でも中古住宅の適切な診断は求められている。
住宅診断の中心をなすのは劣化診断技術であり、非破壊で行われる診断技術を紹介していただく。劣化予防のためのイギリスで行われているモニタリングシステムの紹介もあった。

第3講義「木造建築物の耐久設計と維持管理方②」講師:中島正夫

木造建築の劣化について。ここでは木部の劣化について。
腐朽菌による劣化について。白蟻の被害について。錦帯橋の例を取り上げて木造建築物の劣化対策について。伝統的な日本の木造建築物は劣化対策がちゃんと考えられている。

以上ですが、ひとつの講義が1時間20分で、途中休憩はあっても午後1時10分から5時45分まで、内容の濃いお話を聞くことが出来ました。

次回は7月6日。今から楽しみです。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2011年06月03日 16:50

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