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2005年06月08日

UNDER CURRENT----Bill Evans & Jim Hall

[ジャズ--jazz ]

UNDER CURRENT----Bill Evans & Jim Hall
1962年4月24日、5月14日録音
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ビル・エヴァンス初のデュオアルバム。
ピアノとギターのデュオなんて、他にあるのかな?

当時の様子についてジム・ホールはこう回顧する。

ジョージ・ラッセルの自宅に集まっていたメンバーには、ジミー・ジュフリー、ボブ・ブルックマイヤー、ギル・エヴァンス、ズート・シムズ、ビルや他のミュージシャンたちがいた。彼らとレコーディングするのはとても自然なことのように思えた。いつでも誰かに必ずレコーディングの予定が入っていたしね。つまり、われわれのやっていたのはそういうことなんだ。そういうセッションはとてもエキサイティングだった。「ジャズの歴史」を作ろうなんて誰も考えていなかった。 (「ビル・エヴァンス--ジャズピアニストの肖像」より)

この二人がレコーディングに望み、丁寧なリハーサルをかさねていたであろうことは容易に想像出来る。そして、その結果として、ここに「極上のもの」ができた。
用意周到であったからこそできたもの。用意周到でなければ出来なかったもの。
それは、吹きっ放しの「かつてのジャズ」とは明らかに一線を違えたものだった。
1960年代にはいってジャズが変容してゆく、その姿をとらえていると言う意味でも名盤中の名盤だろう。
そして、それを支えていたのは、先のジムの言葉のように、それぞれのミュージシャンの自発的な試みの一つ一つだったのだ。

<蛇足>
このレコードがかかっているカフェ杏奴は、さぞや素敵な空間だったのではないでしょうか。
漂泊のブロガー

投稿者 yasushi_furukawa : 2005年06月08日 08:50

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トラックバック時刻: 2005年12月29日 22:47

コメント

5年前、カフェ杏奴ができて最初に出かけたときから鳴っていたのが、
このアルバムでした。店に入ったとたん耳に入って、「おお、今どきめ
ずらしいアンダーカレントじゃん!」となり、それ以来、なにかと通いつ
づけることになりました。(笑)
このジャケットの写真ですが、小日向にある某画廊で大きく引き伸ば
したものを見たことがあり、事情を訊ねましたら、そこのご主人とこの
ジャケットのカメラマンがお知り合いとのこと。
この女性が(潮流に?)漂う写真、ほんとうは下までもう少し長いのです。

投稿者 Chichiko Papa : 2005年06月08日 17:36

カフェ杏奴とChichiko Papa さんは、「アンダーカレント」で結ばれていたんですね。
カフェ杏奴との馴れ初めがそんなところにあったとは。
それにしても、そのオリジナルの写真。みてみたいものです。

投稿者 fuRu : 2005年06月08日 17:59

でおくれました(汗) トラックバックと拙ブログのご紹介ありがとうございました。
このUNDERCURRENTは ビルとジム、二人の響き合いがホントに素晴らしいですね。
たぶん ビル・エバンスにとっても 特別な時期だったのでしょうね。

投稿者 いのうえ : 2005年06月09日 01:02

いのうえさんのコメントに導かれるように蛇足です。
1961年にスコットラファロを亡くして、
相当なショックで立ち直れなかったビルエヴァンスの復帰作といっても良いでしょう。
激しい喪失感をともないながらの前向きな意志の力を
このレコードから感じます。

投稿者 fuRu : 2005年06月09日 10:22

はじめまして、Kazeと申します。
ギターとピアノのデュオでは、ジム・ホールとミッシェル・ペトルチアーニがアルバム「パワー・オブ・スリー」の中で共演しています。もっともこのアルバムの全曲がホールとペトルチアーニのデュオではなく、一部の曲でウエイン・ショーターが加わったギター、ピアノ、サキソフォンという変則のトリオになっています。このトリオもなかなかいいですよ。
参考まで、コメントしました。

投稿者 Kaze : 2005年06月10日 23:35

Kazeさん はじめまして
コメントありがとうございます。
ミシェル・ペトルチアーニ。
エヴァンスへの強烈なオマージュ。

恥ずかしながら、ペトルチアーニは未開拓なんですよね。
探して聞いてみたいと思います。
聞くいいきっかけをありがとうございます。

ショーターとのトリオというのも、強烈に興味をそそられます。
こちらはマイルスへのオマージュか?

投稿者 fuRu : 2005年06月11日 07:42

すっかり乗り遅れたようです。
私も大好きな一枚でよく仕事中に聞いています。
パワー・オブ・スリー、私も興味津々、買ってみちゃおっと。

投稿者 nOz : 2005年06月14日 02:25

nOzさん
殻々でかかる「アンダー・カレント」も素敵ではないかと
想像しております。
僕は、パワー・オブ・スリー、アマゾンでクリックしちゃいました。
届くのが楽しみです。

投稿者 fuRu : 2005年06月14日 09:24

「パワー・オブ・スリー」
昨日届きました。
エヴァンスへの強烈なオマージュ、でも、とてもリラックスした空気、でした。

投稿者 fuRu : 2005年06月15日 17:25

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