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2006年10月26日

Class Trip---John Abercrombie

[ジャズ--jazz ,音楽--music ]

Class Trip---John Abercrombie
2004年録音
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秋の日の ヴィオロンの ためいきの

身にしみて ひたぶるに うら悲し。

ヴァイオリンの響きとは
かくも冷たくこの身に滲みるのか。
John Abercrombieのギターと
Mark Feldmanのヴァイオリンは
初冬の夜空、堅く石のように輝く星の元、響く。
そして、遙か彼方のその場所に
遠く遠く輝いていた、その星の
その距離を思う。
ジャズは、こんなところまできていたのか。

このレコードをジャズというくくりで理解することは適切ではない。
もちろん、そのルーツをジャスに求めることは容易だが
アコースティックの楽器の響きを
それぞれの内に、それぞれの思いで秘めた演奏家たちが
宝石のように光り輝くそれらの響きを持ち寄って
ここに空間を創り出していることが大切なのだ。

空間をインスピレーションする。
空間を創造すること、その思いを刺激するのは
実際の建築であったり、彫刻であったり、絵画であったり、詩であったり、そして音楽であったり。
その中で、僕は特に音楽に「空間」を求めているのかもしれない。
とりわけ、ジャズに心惹かれるのも、それ故のことだと思っている。

数人の気になる演奏家たちは
Jan Garbarekもその一人だ)
楽器の響きを元に、僕の前に「空間」を表現してくれる。

そこでは、「空間」が
視覚情報に偏りがちであることから開放され
その全体性が取り戻される。

それゆえ、僕にとって、音楽は大切なのだ。

最後に、ヴェルレーヌの詩の全訳を引用しておきます。

秋の日の ヴィオロンの ためいきの

身にしみて ひたぶるに うら悲し。

鐘のおとに 胸ふたぎ 色かへて

涙ぐむ 過ぎし日の おもひでや。

げにわれは うらぶれて こゝかしこ

さだめなく とび散らふ 落葉かな。

(ヴェルレーヌ「秋の歌」 上田敏訳)

投稿者 yasushi_furukawa : 2006年10月26日 10:00

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コメント

この季節になると胡乱な眼差しで
その様なことを呟いていた方が身近にいますね。
誰とは言いませんが、ええ。

投稿者 iGa : 2006年10月26日 20:49

iGa さん
???????????

ちなみに「胡乱な眼差し」とGoogleすると
なんと!隊長のブログが2番にヒットしました。
おまけに、iGaさんのメールの引用として。

むむむ。
仕掛けは巧妙なりしか・・・・・。

投稿者 fuRu : 2006年10月26日 21:17

いや、そんな仕掛けなんて、、脂汗が、、、(^_^;)

投稿者 iGa : 2006年10月27日 10:16

こっちも、脂汗が、、、(^_^;)

投稿者 fuRu : 2006年10月27日 10:26

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