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2005年06月16日

DEAD MAN---Jim Jarmusch

[映画・ドラマ・舞台--movie/play ]

DEAD MAN---Jim Jarmusch
amazon

ジム・ジャームッシュ作品集は発売と同時に我が家に届いた。
税込み9576円で4枚組み。一枚2394円。
「ゴースト・ドッグ」はすでに持っていたのだけれども
それでも安いなあと購入。
一番の目的は、この「DEAD MAN」。
公開と同時に映画館に行って観た。
その時の印象が生々しい。
もう10年前のことだ。

10年前に映画館で一回見ただけでそれっきり。
もう一度観たいと、何度思った事か。
テレビでも放映したし、レンタルビデオも出回っている。
でも、観なかったのはどうしてだろうか?
この映画に限っては、映画館のスクリーンに恋していたのかもしれない。

恋も10年経つと時効なのか、
10年ぶりにこうしてDVDで観る。
モノクロのハーフトーンが綺麗だ。
森の中をさまようシーンが綺麗だ。
インディアンの集落の様子が綺麗だ。
テレビの画面で観ても
わずかに映像にかけられたエフェクトは網膜を刺激する。
観終わったあと、僕のなかにしっかりとしたなにか堅いものが残った。
それは、10年前に映画館で与えられたものと、まったく同じものだった。

それにしても、10年前に観た時と
寸分違わない印象で映画を見終えたるとは。

10年ひと昔という。
時代はどんどん変化する。
自分もどんどん変化する。
趣味嗜好も変わってくる。
しかし、「デッドマン」が僕とつながっている世界は変わっていなかった。

30年以上映画を観てきたが、
こんな体験は初めてだった。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2005年06月16日 09:18

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コメント

こんな風に・・・と願う映画です。
こんな風に。
fuRUさんが取り上げてくださるなんて!

投稿者 kazoo : 2005年06月16日 19:35

kazooさん
この映画は、やはり僕にとっても特別な映画です。
何度でもくりかえし観る、という映画ではないですが、
何年かに一度は必ず観たくなる、いや、観なくてはいけない、そんな映画です。
これほどに「死」を真正面からとらえている映画はないと思います。
主人公が暮らしていた都会と、仕事を求めてやってきた西のはずれ。
人の生活の違いをちゃんと土台として、主人公がまき込まれる事件を経て
主人公が自らの死を受け入れてゆく映画です。
死へのロードムービーといってもいいかもしれません。
主人公の中で、「死」は忌むべきもの、否定されるものという存在から
認め、受け入れるものへと変質してゆく様が、観ている僕らの心を打ちます。
こういう映画はめったにないですね。
もっと、本当は、ちゃんと言葉にしたかったのですが
それはもう少し先にします。

投稿者 fuRu : 2005年06月17日 10:54

10年前、ハマの映画館で見ました。
映画館の外に出ると伊勢崎町の寂れた通りが
モノクロームに見えました。
ウェリアム・ブレイクの詩集を暫く持ち歩いたりして(笑)

あれから一度も見ていないです。
また、見たくなりました。

投稿者 おはる : 2005年06月19日 22:34

おはるさん やっぱり10年前ですね。
この映画は、しばらく観ないということも大切な映画なのではないかと思っています。
是非、ご覧ください。やっぱりよかった、と思います。(笑)
主人公の名前がウイリアムブレイクで、名前遊びのようなことをやっていますが
その辺はオースターの小説ととても近いものを感じています。
おはるさんも、ぜひ、オースターも読んでみてください。
「シティオブグラス」(角川文庫)をまずはおすすめします。

投稿者 fuRu : 2005年06月19日 23:16

こんばんは。
未消化のままの再挑戦、またまた未消化で、思考が飛んで行ってしまったです。
観終わったあと、コタツに潜り込んでユラユラとカヌーに揺られている気分。

でもジャームッシュの作品は半分も観てないんですー
好きとか嫌いとか言う以前に・・・・うーーん、やっぱ上手く言えない〜

てなわけで、今手元には「コーヒー&シガレッツ」です。(まだ観てないんですが・・・)

投稿者 winos : 2005年12月22日 01:43

winosさん同様
僕もこの映画を見て
「むこう」に行ってしまいました。
その、「むこう」に行っちゃった感覚って
全然未消化ではない、かと、おもいます、です。

投稿者 fuRu : 2005年12月22日 10:48