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2007年02月13日

仁風閣の螺旋階段@鳥取

[K100D ,建築--architecture ]

明治40年5月に完成した仁風閣(じんぷうかく)は、時の皇太子殿下の山陰地方の宿舎として建てられました。
設計は片山東熊とされており、当時全国各地の大工の棟梁がつくっていた疑似洋風の建物とは一線を画した意匠となっています。
一千平米の規模の建物ですが、工期はなんと8ヶ月。日本海側の気候での冬場の工事だったことを考えると、その工期の短さに驚きます。さらには、建設費が当時のお金で4万4千円。市役所の予算が5万円の時代ですから、片山東熊に設計を依頼したことなども含め力の入れようが分かります。
同時に、この建物の完成とともに鳥取県に鉄道は開通し電気もやってきました。
そういう意味では鳥取の文明開化の訪れを象徴する建物なんですね。

その内部にて、すばらしい螺旋階段が目にとまりました。

一瞬、どうやってつくってあるのか考え込んでしまいました。
中央の螺旋状に加工されたささら板で支えているんですね。

材質はケヤキですから、加工がしやすい材料ではありません。
この複雑な三次元の形を削りだして作っていることに驚嘆します。
大工の棟梁は浜田芳造という人物だったといわれています。工期の話も含めその実力のほどを十分に示してくれている仕事だと思います。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2007年02月13日 11:45

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コメント

ちょっと、鳥肌が立ちました。
おそらくは長い時間をかけて受け継がれ、磨かれた木造建築の技術は、この国の貴重な財産であることをあらためて感じます。

投稿者 眼谷猪三郎 : 2007年02月13日 16:40

眼谷猪三郎 さま
>この国の貴重な財産
これが、いま失われようとしている・・・・
いやいや、すでに、このような階段を作れる人は、今の日本にいるのでしょうか・・・、というような。
なんとも、です。

投稿者 fuRu : 2007年02月13日 16:53

木造の螺旋階段って初めて見ました。
美しいですね。
うねるようなカーブを木で作るなんて、すごい技術ですね。

この階段を歩いてみたいです。

投稿者 reirei : 2007年02月13日 19:21

reireiさま
ところが、この階段、立ち入り禁止なんですよね。
ふにゃ。

投稿者 fuRu : 2007年02月14日 00:49

まったくもって“素晴らしい”の一語に尽きます。
感無量です。

投稿者 cen : 2007年02月14日 09:25

cenさま
素晴らしい、という言葉を支えているのは
技術的なすごさを越えた「美しさ」ですよね。
技術者とデザイナーが分かちがたく結びついている。
ほんとうに、素晴らしいです。

投稿者 fuRu : 2007年02月14日 09:35

ホンマ素晴らしいの一言です

木造で下に支える柱無しで
こんなうねる曲面の階段をよくも支えられるモノですな

投稿者 GG-1 : 2007年02月14日 12:09

GG-1さま
これは、おまけにささら板が三つのパーツに分かれているのですよね。つまり、つなぎ目はとっても弱いわけですから、そこまで計算に入れていないといけない。
ただ、実質的にはこのささらだけで階段を支えているというよりも、踏み板と蹴込み板とささらが一体となって支えているのだとは思います。
でも、やっぱりすごい、の一言ですよね。

投稿者 fuRu : 2007年02月14日 12:30

うわっ
凄い螺旋階段。
それ以上に平原にぽつんとたたずむ姿がとってもかっこいいですね。
写真も素敵です。
どうやったらこのように撮れるのでしょうか????

投稿者 akatuki : 2007年02月16日 16:00

akatuki さま
すごいでしょう。
このすごさの分かる人がたくさんいてくれて私も嬉しいですね。
ちなみに、シグマの超広角ズーム10-20mmというのを使えばこういう風に撮れます。(^_^)v

投稿者 fuRu : 2007年02月16日 16:05

建物全体も素敵ー、とクリックしたら
もっと素敵な螺旋階段が出てきてびっくりしました。
素晴らしいですね。
こんな階段にうずくまってコーヒーが飲みたいです。

投稿者 ゆら : 2007年02月21日 16:32

ゆらさま
実は、この2階の南に面したところが
開放的なサンルームになっていて
そこがとても気持ちよかったのです。
近いうちに、その写真もアップしたいと思っています。
ちなみに、この建物ですが、現在資料館としてだけ使われています。
もったいないですよね。
ちょっとしたレストラン、あるいはカフェでもいいんですが
ゆらさんのおっしゃるとおり、こんなところでお茶を飲んでみたいと思っている方は沢山おられると思いますから、もっとこの空間を活かせるはずです。

投稿者 fuRu : 2007年02月21日 18:31