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2007年09月18日

「セルフビルド---家を作る自由」

[a-家づくりについて---house_making ,books ]

「セルフビルド---家を作る自由」
著:矢津田 義則、渡邊 義孝 編纂:蔵前 仁一 出版:旅行人
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那須にある「Bar+Gallery 殻々工房KARAKARA-KOBO」の野澤夫妻は、お店と自宅を作っています。
私も何度かお邪魔させていただきましたが、
生活しながら、お店もやりながら、少しずつ今もバージョンアップしているようで、最近は最新のウエブツールであるWikiでご自身の経験をまとめ始めています。
KARAKARA-FACTORY'S DIY DIARY

その野澤夫妻の家づくりがこの本に紹介されています。

家づくりの主体はどこにあるのか、という問い掛けはいつでも自分のなかにあります。
結論としては、住まい手のために、というのが家づくりの主体だと私は考えています。
とはいえ、現代の家づくりはますます、住まい手から遠ざけられているのが事実です。
家の値段にしても、一般の方々には、いやいや我々プロにも、とても分かりにくいというのは
やはりどこかで、家づくりの場から住まい手が遠ざけられているためではないでしょうか。
そうしたもやもやした現状で、家づくりを自らの手中に収めるためにはセルフビルド、つまりは自分の手で家を作り上げるということが有効な手段となるでしょう。しかし、社会で働いている現実から言えば、すべてを自分の手で作り上げるほどの時間的、経済的余裕のある人というのは限られているというのも事実です。

この本では、セルフビルドを実践されている方々が多く紹介されていますが
もう一つリアリティがないように感じるのはそのためではないかと思います。

では、家づくりの主体を取り戻すためにはいかなる方法があるのでしょうか?

野澤夫妻が選ばれた方法は「ハーフビルド」という方法。
自分たちで出来ることを吟味して、これはプロに頼んだ方が良いと思うところだけを人に頼む。

基礎工事と本体の躯体工事、屋根と外壁、などなど。
そして、那須の寒冷な気候を考えると高気密高断熱の基本的な性能はちゃんと確保しておきたい。
そうすると、在来工法ではどこまで工事を依頼するか判然としないところも多く出てきます。責任問題、工事管理の問題も出てくる。
そこで、Be-h@usというシステムを採用し、構造的な強さも含め、高気密高断熱の箱を、まずは手に入れ、そこに自分たちの生活に必要なものを加えてゆくという方法になりました。

私の今までの仕事でもハーフビルドはその工事内容に差はありますが、多くの方が実践されています。
みなさん、自分の家を造ることに積極的に関わりたいという強い思いをもっておられます。それは、とりもなおさず。家づくりの主体を自らの手に取り戻したいというユーザーからの強い思いであり、家づくりの主体を取り戻せるような家づくりが、今は失われているという社会に対するメッセージなんだと考えています。

今月の29日に行われる
hanawa_h@usの工事中見学会では、ハーフビルドを実践中の現場を見ていただきます。
ぜひ、みなさんのご参加をお待ちしております。
hanawa_h@us---工事中見学会のお知らせ


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2007年09月18日 14:30

コメント

 1977年刊「The Craftsman Builder」と言う写真集を見て30年近く楽しんでおりますが、 アメリカ人というのは桁外れに可笑しな人たちですな。 砂漠の近辺だと建築基準法など無いのでしょうね。

投稿者 欒樹 : 2007年09月18日 15:03

うちは基礎と上棟式まで基礎屋さんにやってもらいました。
その後、電気工事と水道関係はプロに頼みました。
それ以外は、素人ですが、自分たちでやりました。
こういうの、ハーフビルドっていうのですね。勉強になりました。

投稿者 tak : 2007年09月18日 22:15

欒樹さま
コメントありがとうございます。
お教えいただいた本は勉強不足で知りませんでした。
ちょっと探してみます。
それにしても、セルフビルドという文化はとてもアメリカ的なものではと感じています。
「大草原の小さな家」というドラマが成り立つのもセルフビルドの精神が根底にあるからでしょう。

投稿者 fuRu : 2007年09月18日 22:54

tak さま
上棟から先をすべてご自分でやられたということでしたら
それはハーフビルドという範疇を越えているような気がします。
胸を張ってセルフビルドと言って良いのではないでしょうか。
もちろん、そんな定義なんてどうでも良くて気持ちの問題なんですけれども。
ますます、tak さんちに行ってみたくなりました。

投稿者 fuRu : 2007年09月18日 22:56

fuRuさん、ありがとうございます。
家の構造や機能に関係ない部分って、遊びながら出来るから楽しい部分ですよね。
一度やってみると、そこにお金払ってやってもらうというのはもったいない気がしてしまいます。もちろん時間と体を使うものですから、忙しかったり急ぐ場合は作業を依頼するわけですが。。
Be-h@usはハーフビルドしやすいシステムですね、自分のような素人も参加しているのに家の性能が劣る事がない。
とても頑丈な家ですし、きちんとした基本的なデザインさえ出来ていれば台風の夜も安心して眠れます。自分の完全なセルフビルドだったらおちおち眠れません。
大きなお金のかかるものですから大変な所だけやってもらって楽しい部分は自分がやればいいと思います。
作業が面倒に思える時もありますが、そんな時は無理せず休みます。
だから何度か取材の方たちに「大変だった所は?苦労した所は?」とか聞かれるのですが「別にありません」と答えています。

この本に出て来る家の幾つかは、物置小屋を作ってみたら、家も造れそうに思えて作ってみた、という延長線上にあるものだと思います。それも楽しいことなのでいつか作ってみたいと思っています。

あれ、自分でエントリーすれば?ってくらいだらだらと長くなっちゃいました。ごめんなさいm(_ _)m

投稿者 nOz : 2007年09月19日 12:30

nOzさま
どうも。
また那須にいってお邪魔したいです。
デッキも出来ているんですよね。
今度の29日は、Be関係のセルフビルダーと私のお客さんでセルフビルドにいたく関心のある方が集結します。さしずめ、セルフビルダーのプチサミットになったら面白いなあと思っています。nOzさんもご参加いただければさらに盛り上がるのですが無理も言えませんね。

投稿者 fuRu : 2007年09月19日 14:01