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2011年10月20日

「大地の家」---鈴木喜一

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鈴木喜一さんは建築家です。設計活動を行いながら、神楽坂で「あゆみギャラリー」をやられています。そして、神楽坂建築塾も主宰しておられます。

工業高校の建築科を卒業され,設計事務所で実務を経験された後に武蔵野美術大学に入られました。ですから,私の先輩になります、が、ムサ美は建築学科ではありませんでしたので、正確には先輩ではないですね。
ムサ美を卒業された後、1980年~1981年、「鈴木喜一建築計画工房」を開設される前、フランスを拠点として世界各地を旅されてます。その旅先で見た風景に、住まいの原風景を感じた、写真に収めた,紀行文を書かれた,それがこの本です。

文章というものには力があります。本を書いた者として言えるのは、著書を記すというのは大変な作業だということです。書きなぐったものがそのまま本になるということは、専業で著述業をやっておられる方だとしても、まずはありえません。ましてや、本業は別にあればなおのこと。私が書いた本も、書いては消し書いては消しの繰り返しで、本になった文章の裏には日の目を見なかった膨大な量の文章が存在しているのです。それくらい厳選して、やっとそれなりの本になる。そうやって、文章を丁寧に磨いてゆくと、やっぱりそこにある言葉は力を持つようになるのです。(私などは、まだまだですが・・・)

鈴木喜一さんの、この「大地の家」に記された言葉には力があると思いました。文章に、言葉に力があると、読んでいてぐんぐん引きつけられます。それは、私が、ここに出てくる地名のいくつかをこの足で踏んでいるからだけではないと思うのです。

鈴木喜一さんの研ぎ澄まされた視線がある。その視線の力を言葉に潜ませるために鈴木喜一さんの気持ちのパワーがこの本からは溢れていると感じます。世に、建築家の書いた本は数多あれども、この本のように言葉にしっかりとした力がある本は残念ながら数少ない。そういう意味で、稀有な本です。ただ、残念ながら版元在庫なしで、鈴木さんの手元にある分だけということです。鈴木喜一さんのブログに注文の方法が書かれています。多くの人に読んでほしい一冊だと思います。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2011年10月20日 10:00

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