af_blog: You Must Believe in Spring---BILL EVANS

2005年09月02日

You Must Believe in Spring---BILL EVANS
1977年8月23，24，25日録音
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最初の一音から秋の空気の張りつめた感じがひろがる。
スタジオで録音された、ピアノトリオとしては最後の演奏。

美しい、究極の表現、完成度が高い、
などなど、このレコードに寄せられる賛辞の数々は数えきれない。
しかし、このレコードを聴く時の、
この「せつなさ」はいったい何なんだろうか？

このレコードには「訣別」という言葉がよく似合う。

ベースのエディゴメスとも、この録音を最後に11年の長きにわたるコンビも解消し、別々の道へ。

それは、彼自身が自らの「ビルエヴァンス」というイメージの殻を脱ぎ捨てた瞬間だったのかもしれない。

かつての「ビルエヴァンス」との訣別。

あと3年で、自らの命が失われるなんて、そんなこと誰が知っているものか。
しかし、このレコードの音の中から聴こえる「死」の響き。
ドッペルゲンガー。
聴いている方の時間軸が狂い始める。

夏が終わる。
朝の空気の中に秋の臭いがひそみ始める。
夏草が発酵する。
空気はいつの間にか硬質さを増し、日は短くなる。

そんな時に、このレコードはよく似合う。

投稿者 furukawa_yasushi : 2005年09月02日 10:28

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トラックバック時刻: 2005年10月01日 23:49

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トラックバック時刻: 2005年12月29日 22:50

初めまして。
私もこのアルバム大好きです。
もう２０年間も聞いています。
この季節になると聞きたくなります。
何かを覚悟して演奏しているんでしょうか？
私も聞くたびに胸が苦しくなり、悲しくなります。

投稿者 SETSUKO : 2005年09月02日 11:02

SETSUKOさん　はじめまして
コメントありがとうございます。
僕は、あまりの切なさにこのレコードが聴けなかった時期があります。
でも、今ごろの季節になると手にしている自分がいて
やっぱり、切なくなってアルバム全部を聴くことが出来なかったりします。

投稿者 fuRu : 2005年09月02日 12:05

●fuRuさん、こんにちは。
You Must Believe In Spring (Bill Evans)
http://music-review.info/article/10911105.html
へのコメント及びトラックバックありがとうございました。

この作品はスコット･ラファロのいた黄金期にはない魅力がありますよね。
「掛け値なしによい作品」同感です。

投稿者 ponty : 2005年12月30日 14:15

pontyさん　こんにちは
僕のブログではビルエバンスのことをいろいろ書いています。
すでにpontyさんからTBをいただいている記事もありますが
まとめてみました。
よろしかったら、そちらもご覧ください。

投稿者 fuRu : 2005年12月31日 15:10