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2011年04月 アーカイブ

2011年04月01日

suijin_House---煙試験

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昨日は、「suijin_House」の煙試験。
太陽熱利用のための集熱面の気密性が悪いと、せっかくの太陽熱がうまく集まらなくなります。そこで、気密性のチェックのために煙を集熱面に送り込んでチェックするのです。

写真は小屋裏で煙試験の準備をする環境創機のR技術開発部長。

後ろに見える垂木のところについている機械が太陽熱利用のための環境創機製の最新型の機械。

来週の水曜日には環境創機さんで勉強会も企画されているようです。
ご興味のある方は、問い合せてみてください。(エイプリルフールしゃないですよ)

2011年04月02日

「経済成長なき社会発展は可能か?」---セルジュ・ラトゥーシュ

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「経済成長なき社会発展は可能か?」
著:セルジュ・ラトゥーシュ 訳:中野 佳裕 出版:作品社
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私たちの最大の関心ごとの一つがエネルギーです。
この本のタイトルには「経済成長」とありますが、実は論点はそこではなくて、エネルギーをふんだんに使ってきた今までのような「発展」は、ほんとうに必要なのか?という、大きな問いかけにあります。
ただ、残念ながら人間は理屈で生きているわけではない、「憧れ」や「羨望」といった理屈では解析できない事象の中で私たちは生きているわけです。ですから、本書を読んでいて感じたのは、私たちを「発展」へと駆り立てているものの実態が、解析できない不透明なベールに包まれている以上、そこにロジックでメスをいれるのは難しいのではないか、という正直な感想でしたし、その不透明なベールの内部を見据えることなくしてはなんの解決にも至らないだろう、ということでした。
しかし、だからといって、この本で語られていることがすべて絵空事だなどどいうつもりは全くありません。というよりも、本書に書かれていることを私は大変興味深く、そして大いなる共感を持って読み終えたのでした。

なんだか、賛成なんだか反対なんだかわからないような書評になっていますが、こればかりは読んでいただいて議論を交わさなくてはならない部分ではないでしょうか。

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2011年04月04日

目白さくらだより2011@明日館

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今朝の明日館の桜の様子です。
明日館では毎年桜の開花に合わせて夜桜見学会を行っています。今年もやっていますが、毎年恒例のライトアップはなし。でも先週の夜の様子を覗いてみると、柔らかいライトアップはされていていました。明日館の夜桜も、年を負うごとにライトの量が増えていってやり過ぎじゃないのと思っていたところでしたので、ちょうどいい感じになったのではないかなというところだと個人的には思います。

というわけで、明日になりますが、午後6時頃から私の事務所も夜桜見学に行ってみようと思っています。皆さんも、よろしければ会場で合流いたしましょう。

2011年04月07日

木を切らず塀を建てる

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そこには、きっと、もとから木が生えていたのでしょう。
あるいは、敷地の堺の印として、お隣さんと一緒に木を植えたのかもしれません。
その後、紆余曲折あってコンクリートの塀にしようということになっても、木だけは切られずに残っていたのですね。

何故に、木が切られなかったのか、とてもとても、考えれば考えるほど、不思議ではありますが、木を切ることを躊躇した、その気持がこうして形になって残っていました。

蛇足ながら、今現在はこんな痕跡も跡形もなく真新しい塀になってしまっています。

2011年04月08日

倍速

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見えづらいかもしれませんが、iTunesでCDの音源を取り込んでいるところです。21倍の表示が出ています。取り込み速度です。我が事務所のNewFace。15インチのMacbook Proです。
以前、使っていたMacBookはCore2Duoの2GHzで、iTunesの取り込み速度は良くて12倍くらいでした。今度の、新しいMacbookの動作クロックは2.2GHzですが、それの倍近い速さで処理してくれていることになります。
速い、確かに速いのですね。でも、その恩恵を受けるような作業にあまり縁のない私にとって、このマシンが宝の持ち腐れにならないといいなと思っています。でも、良いマシンを買ったほうが、末長く使えるので結果的にお得なのは今までの経験から立証済みだったりします。

2011年04月09日

mokusei_House(R)---はじまります

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mokusei_Houseは小さなおうち。でも、木々の生える庭があり、古いけれども懐かしくていい雰囲気の木製の窓があって、庭と一体になったおうち。
この木製窓を残したいというお気持ちから、改修工事の計画が始まります。

2011年04月11日

落合川春景@2011

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昨日は家族と一緒にお散歩。
近所に流れる落合川沿いを自転車に乗って走りました。

2011年04月12日

「設計監理を極める100のステップ」---家づくりの会

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「設計監理を極める100のステップ」
著:家づくりの会 発行:エクスナレッジ
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家づくりの会の仲間と本を作りました。
ひとことで言うと設計監理の本です。
今までは、現場監理の本はありましたが設計監理の本、特に住宅の工事に特化した設計監理の本はなかったのではないでしょうか。
設計施工も含めて、住宅設計に関わる人たちにおすすめ出来る一冊になったかと思います。

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2011年04月13日

sengen_House(R)--- 杉の壁

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sengen_Houseは改修工事進行中。
7.5帖の部屋にあった間口一間の押入れを壊して8.5帖の部屋にして、そこを杉板の間仕切り壁で仕切り二人の子どものための個室を作ります。

工事は30代前半の若い大工さんにお願いしています。

施工:鈴木建設

2011年04月14日

suijin_House---隠し部屋

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この震災の影響で工事も遅れ気味な「suijin_House」ですが、それでも着々と進行しております。
断熱材もロックウールがなくて高性能な代替え品となり、防湿フィルムも別途施工しなくてはならないということで、建物の仕様はぐんとアップしていますが、出費も増えて大工さんの手間もかかるわけで、大変なのは工務店さんであります。請負業というのはかくも大変なものなのでしょうか、などなど。
昨日、現場に行きましたら天井下地が出来ていて、小屋裏の隠し部屋が現れていました。なかなか楽しいおうちになりそうです。

2011年04月15日

荏油(えあぶら)

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sengen_House(R)で作った杉板の間仕切り壁に何を塗ろうかと思っていましたが、ホームセンターで「荏油(えあぶら)」というものを見つけたので試しに塗ってみました。
「荏油」は植物性の油で「エゴマ」の種を絞ったもので古くから木工製品の艶出しに使われています。同類の油としては「亜麻仁油」が有名ですが、実は私、正直言いまして「亜麻仁油」の匂いには、ちょっと馴染めないわけで、もし「荏油」も「亜麻仁油」みたいな癖のある匂いだったらどうしようか心配でした。しかし、そんな心配はいらず、もっと食用油、たとえばごま油とかサラダ油とか、そういう香りだったわけです。
価格はちょっと高めですが、よく伸ばして使えるので使いでがあり、意外に経済的かもと思ったりしているわけです。
塗って気がついたのですが、木材との親和性がいいのか、深く滲みこみ色合い風合いが良い感じで出てきました。

太田油脂株式会社

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2011年04月18日

春の家づくり講座、初日でした

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昨日はNPO法人家づくりの会が主催する連続講座の初日でした。
今回のテーマは「家をつくるということ」。
私はその初日の講座で「予算と設計監理」についてお話させていただきました。

とはいえ、この日のメインは第二部の建主さんを招いての対談。家づくりの会の宮野さんが聞き役となり設計者の高野保光さんと建主さんとの家づくりにまつわる様々なお話をお聞きしました。

連続講座は来週も再来週もあります。まだまだ若干ですがお席に余裕があるそうですので、ご興味ご関心のある方はぜひとも参加してみてください。

家づくりの会春の連続講座

2011年04月19日

sengen_House(R)--- ウッドデッキ

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sengen_House(R)はもうすぐ工事完了。
玄関ひさしの上にウッドデッキを作っています。

2011年04月20日

「下水道革命」---石井勲

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「下水道革命」
著:石井勲 出版:藤原書店; 改訂二版 (1995/11)
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師匠である長谷川敬さんの事務所に私が入るきっかけとなったのは、長谷川さんからいただいた一枚の年賀状に描かれていた浄化槽のイラストでした。
年賀状には、その浄化槽で処理した水は飲めるくらいにきれいになるんだよという夢のようなメッセージが書かれていました。
ちょうどその頃、その時に務めていた設計事務所で水の問題についてのレポートをまとめなくてはならなくなり、長谷川さんにその浄化槽について話を聞きに行ったのを今でも覚えています。
その時に、長谷川さんからは「石井式浄化槽」というものを教えていただき、あわせてこの「下水道革命」という本も紹介いただきました。

浄化槽というのはバクテリアに有機物を分解してもらう装置です。酸素を使って分解するバクテリアと酸素が嫌いなバクテリアがいて、大きく二種類に分けられるバクテリアのためにそれぞれ部屋をつくって、そこに有機分を通して分解・浄化します。市販の浄化槽も原理は全く同じなのですが、どうしても処理能力があまり高くない。

石井氏は市販の浄化槽の問題点を大きく2点にまとめています。
ひとつはバクテリアの生活圏である槽の大きさが十分に大きくないことであり、
もうひとつは槽内の環境が複数のバクテリアが共存するのに適していないことです。バクテリアは複数種がコロニーを形成してバランスを取ることによって活発に活動するようになるのです。

こうした問題点を解決するために、まずは、市販の浄化槽よりも大きな槽にしました。そして、バクテリアの生活環境を良くしてあげるために、エアーの調整をまめにして、さらには様々なバクテリアが生活できるよな環境を作るためにヤクルトの空き瓶を槽の中に充填しました。その結果、飲用が出来るほど綺麗に浄化することができる浄化槽の開発に成功したのです。

この高性能な浄化槽があれば、河川の汚染を防ぐことができます。また、数軒から数十軒程度の処理能力を持った浄化槽をコミュニティで共有することで、下水道という巨額のコストが掛かるインフラからの脱却が出来るのです。

今回の震災での下水道インフラへの大きなダメージを考えると、個人でこうした高性能な浄化槽を持つことはその対策としてとても有効だと思います。ただ、槽の大きさが大きいので敷地に余裕が無いと設置できないという問題があります。ですから、一軒で使うというよりも、数十軒で共有する事で、中域、小域での下水処理を実現すれば、災害時のリスクを分散する事が出来るわけです。下水道というような広域を対象とした考え方ではない、中小を対象とした小さなインフラの集合体で考えること。そのためには、石井式浄化槽の考え方が有効ではないかと思ったのでした。ずいぶん前に読んだ本ですが、この機会にご紹介させていただきました。

2011年04月25日

突然ですが(自宅を)引っ越しました

先週の金曜日は自宅の引越しでした。新居のネット環境が整うのは今週中とのことで、しばらく自宅ではネットに接続できません。おまけに新居周辺はSoftBankの電波状況が悪く3Gによるネット接続も大変不安定。というわけでこの三日間ブログの更新もお休み。

さて、引越しとは言っても、以前に住んでいたところから歩いて5分ほどのところ。住所は番地の下一桁が変わるだけで、もちろん電話番号は変わりません。今まで住んでいたのは44㎡のアパートでしたので二人の子どもの成長と共に手狭になっていました。うちの子供達は女の子と男の子。部屋も分けないとと考えていましたが、前のアパートではそれも難しいわけです。家内とは、引越し先としては郊外ののどかなところがいいねと話していたのですが、どうしても子供たちは転校したくないということで、近所の校区内で探すことになったのです。

引越し先は、ひょんなことから見つかりました。
小さいけれども一戸建てです。

一戸建てというのはいろいろなことが起こります。

例えば、テレビ。

引越し先は都営住宅の影響で電波障害が発生しているために、ケーブルテレビでの受信が出来るということで、テレビにつないでみましたが受信できず。あれこれいじっていたら、アナログ放送だけ受信が可能ということがわかりました。電波障害の保証はアナログだけだったか・・・でも、この7月になったらどうなるんだろう?そうかあ、デジタル放送は電波障害になりにくいから保証の対象でなくなってしまうのだ。むむむ。ということは、7月までにアンテナを立てるかケーブルテレビの契約をしておく必要があるんですね。こちらも色々思案中。

というわけで、古川家の新生活が始まりました。

2011年04月26日

第三期家づくり学校 開講のお知らせ 再募集です

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家づくり学校の受講生を再募集いたします。
締切りは5月2日。
詳しくは事務局まで「家づくり学校再募集について」と明記の上お問い合わせください。

少しは緩和されてきましたが、自粛ムードが漂う日本。何か皆が縮み込まってしまったようです。まだ原発の見通しが立たない中、仕方がないのかもしれませんが、いろんな催し物、会合が中止になってしまいました。 それに引きずられてか、また入学希望者の募集を始めたのがちょうど地震の直後だったせいか、私たちがやっている「家づくり学校」の今年の入学希望者もめっきり減ってしまいました。実は今年の入学希望者は昨年度より大幅に増えるのではないかと、地震の直前まで考えていました。というのは私たちの活動が建築雑誌に取り上げられたり、また多くの学生諸君が1年から2年へ、2年から3年へと進級してくれたからです。彼らは建築設計について多くの新たな知識や設計者としての生き方を学んでいると思います。 思わぬことが日本を襲ってしまいました。でもそんな時こそ、そんな時でも建築への夢を忘れないで勉強を続けてもらいたいと思います。 ということで「家づくり学校」への再募集を行います。奮って応募して下さい。待ってます!                          家づくり学校校長 泉幸甫

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2011年04月28日

新宿OZONEで建築家5人展がはじまりました!

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本日より、新宿のOZONEで建築家5人展がはじまりました。
テーマは「いま建築にできること---持続可能な社会のために」。
住宅設計者として持続可能な社会のために建築で何が出来るのか、展示には参加者それぞれのメッセージが詰まっています。
私も5人のひとりとしてパネルと模型の展示をさせていただいております。
会期も長いのでOZONEに行かれましたら6階の吹き抜けのあるスペースへ足をお運びいただけましたら幸いです。

会期:4月28日〜6月21日 入場無料 水曜日休館 10:30〜19:00

2011年04月29日

兼題「菜の花」

俳句を詠むというのは奥が深いですね。言葉の一つずつを吟味して全体の構成を考えるわけですが、なにせ17文字しかありませんから、一字一句が命なわけで、ひとつの言葉も無駄にせずにきりりと響き渡るような句にするために、なんども推敲を重ねてゆきます。設計の話で言えば、ムダのないプランを練りあげるのにとても良く似た作業だと、自分ながら思っていたりします。プランにしても俳句にしてもその遂行作業が実に楽しいわけです。

昨夜は久しぶりの句会。噺家さんなども参加する句会でなかなかレベルが高い。実は、先月に行われる予定がこの震災で一ヶ月延期になって昨日になりました。実は、明日も設計者仲間の句会。しかし、こちらは別件の用事があって参加できません。残念ですが、連チャンもさすがにきついので、マイペースでゆこうと思っています。

さて、昨日の句会の兼題は「菜の花」。今回は3句ずつ。清記用紙に書いて、それを回して選句します。

そして、なんと今回は私の句は3句とも選んでいただきました。嬉しいですね。

三人に選んでいただいたのがこの句です。

菜の花の彩り田畦蛙鳴く
(なのはなのいろどりたあぜかわずなく)

そして、ひとりずつにですが選んでいただいたのが次の2句。

菜の花にひらりひらりと白き夢
(なのはなにひらりひらりとしろきゆめ)

陽だまりに綿菓子のよな菜の花かな
(ひだまりにわたがしのよななのはなかな)

「白き夢」の方は「夢」という言葉がどうもいけないようでご指摘を受けました。「夢」だけは句に詠み込んじゃイカンという暗黙のルールもあるみたいです。たしかに、「夢」という言葉はずるい言葉ですね。気を付けないといけません。

「綿菓子」の方は下五が字余りで、それでリズムが狂っているというご指摘。もっともです。「菜の花」は「花菜」でも「菜花(なのは)」でもいいそうなので、言い換えてみてはともアドバイスをいただきました。私としては、字余りの不思議な余韻を残したくて、いろいろ悩んだ挙句のこの句だったのですが、他の人から見ての感想というのは自分の考えがどのくらい力をもっているのかを確認できるのでありがたいですね。

というわけで、こちらの句会の次回の兼題は「紫陽花」。少しづつ考えてみることにします。

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