「建築学生の[就活]完全マニュアル」
著者:星裕之 発行:エクスナレッジ
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こういう本を紹介するからといって、私がこれから就活をするわけではありません。
この本は、たしかにこれから建築業界に入ろうとする学生さん向けに書かれている本ですが、複雑多様化する建築業界を、全体的に俯瞰して紹介してくれる本であり、今まさに建築業界にいる自分のポジションを見定めるための絶好のガイドブックとなっています。だから、私などが読んでいてとても面白い。ほんとに、建築業界の全体を良く把握している本だと思います。
私の事務所でもスタッフを随時募集していて、時々面接などもしたりしますし、試しに働いてもらうこともあります。これから建築業界に入ろうとする若い人と話をするのは面白い。しかし、あまりにも、さきほども書きましたが複雑多様化する建築業界について、今の若い人は何も知らないのですね。まあ、でも、私だって、学生の頃、どれくらいこの業界のことを知っていたかといえば、人のことは言えません。模型が作れる、図面がちょっとは描けると雇ってもらえるかな、なんて考えていたくらいです。
しかし、この建築業界に今まで経験したことのない大変動が訪れるのではと多くの予測があるなか、自分の生きる道をそれぞれが求めてゆく必要のある時代に、こういう業界の全体像をおさらいしておくことも、あながち無意味なことではないと思ったりします。
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「建築する動物たち」
著:マイク・ハンセル 訳:長野敬+赤松眞紀 発行:青土社
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人以外の動物が行う構築行為について分析することで
人間の構築行為について考える好著。
もっとも印象に残った言葉は「空間の記憶」。
「空間の記憶」によって構築行動を起こすのは人間だけではないのかと、この本は問いかけてくれているようです。
各章の内容をメモしておきます。
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春秋恒例の大多喜の森を訪ねる見学会。
秋の見学会のシーズンがやってきました。
春はタケノコ堀。秋はネイチャークラフト体験。
南房総の森をご案内しながら自然に親しんでいただけるよう
様々な企画を立てております。
企画の詳細は現在、最後の詰めをやっているところですが
参加の申し込みを始めたいと思います。
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お恥ずかしながら、執筆しておりました本が完成。見本が届きました。
タイトルは「やっぱり、木の家がほしい!」。
一般ユーザー向けに、木の家の作り方のポイントを書いています。
編著として「家づくりの会」となっていますが、会の仲間であり一緒に木の研究会をやっている松澤静男さんとの共著となります。
木の家をつくるプロセスやコストのことを松澤さんが担当、木の家の魅力や作る時に知っておきたいポイントについて私が書かせていただきました。
都市圏では26日頃に書店に並ぶ予定です。
1800円(税抜き)318頁。アーク出版より。
ISBN978-4-86059-082-6
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「小さな家の気づき」
著:塚本由晴 発行:王国社
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建築家の塚本由晴氏は発見します。
敷地に対して家を十分に小さくすると得られる自由を。
私はこの本を、その発見のプロセスのドキュメンタリーとして読みました。
そんなのあたり前のこと?
しかし、現在の家づくりは、家を十分に小さくすることが難しくなっています。
家は大きい方が良い。
だから、法律で許される限りあらゆる手を使って大きく大きく作ろうとする。
土地の値段が高価だからそれに見合った大きさの建物を造らないと損をする、etc....
また、建物の配置についても縛られている。南面信仰。猫も杓子も敷地の南側を開けて建物を北側に寄せて大切な部屋を南向きに配置している。南向きが絶対に良いという考えです。でも、そんなことはないのです。夏の日差しは避けた方が良い。南向きの部屋は夏の暑さから逃れられない。夏場の北側の部屋の快適なこと。
南から直接入ってくる強い日差しの魅力もありますが、北側の窓からの回り込んでくる優しい光も魅力的。昔から、あえて北側に庭をとったりしてきた日本人の光に対する感性、さらには、明るいばかりではなく薄暗さの魅力も感じていた感性。
敷地に対して法律で許される目一杯の大きさの建物を北側に寄せて建てる。画一化されてしまった家づくりのそのような考えから自由になること。実は、そうした画一化された考えが日本の街並みから魅力を奪っているのではないかということ。
塚本氏の現在に至る言説をトレースしているわけではありませんので、その後、どのように彼の論理が展開していったのかを私は知りませんが、ここにある発見の大切さは、今こそ重要な意味を持ってきていると感じているのは、私だけではないと思います。
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今日は、第十六回「大多喜の森を訪ねる見学会」でした。
秋の一日、大多喜の自然の中で、参加者の皆様、それぞれの目的をお持ちになってのご参加でした。
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昨日から、すまいFabギャラリーにて「建築家が選んだフローリング展」が始まりました。
企画は6月の「ちっちゃな家展」と同じく「A to A Project」です。
会場は、建築家来馬輝信さんの事務所に併設されている「すまいFabギャラリー」。
総勢17名15組の建築家が、日頃定番として使っているフローリングをご紹介しています。
ということで、昨日はオープニングパーティーに参加してきました。
会期は12月6日まで。朝の10時から夜6時まで。
おもしろ発見がきっとあるでしょう。
ぜひ足をお運びください。
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