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2011年07月 アーカイブ

2011年07月02日

Co.But@_House がはじまります

ご夫婦ふたりのコンパクトなおうち「Co.But@_House」がはじまります。
おはなしを聞いているとご主人が高校の後輩だったりとか。そんな縁もあって設計のご依頼をいただきました。
お二人からは「S.H._House」と「7.dd._House」がお好きとはっきり言っていただいております。大きさもこの二つのお宅の間くらいです。それにしても、そのように言っていただけるのは嬉しいですね。シンプルだけれどもしっかりとこだわった家になるようにがんばります。

昨日はアユミギャラリーへ

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昨日は神楽坂のアユミギャラリーに行ってきました。
静岡の建築仲間がつくる家づくり展」のオープニングです。
家づくりの会で以前行った静岡ツアーでお世話になった人たちが神楽坂に集いました。また、筑波大学の同窓でその後いっしょにお仕事もさせていただいたアトリエに樫の坂田さんも初参加。これはいかないわけにはゆきません。
静岡や浜松から来られた懐かしい顔。
いろいろな話で盛り上がってきました。
展覧会は7月6日までです。

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2011年07月04日

ブラシノキ

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ブラシノキ
(フトモモ科ブラシノキ属)

なんていう名前だろうか?写真を撮ってきてから調べるときに、花の形を言葉にしてGoogleで検索してみます。今回は「赤いタワシのような花」。みごと一発で出てきました。便利な世の中になったものです。それにしても「ブラシノキ」って、あまりにもそのまんまの名前ですね。

2011年07月05日

「家族の勝手でしょ!」---岩村暢子

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「家族の勝手でしょ!」
著:岩村暢子 出版:新潮社
amazon

1998年から2002年までの「食DRIVE」調査をまとめた「変わる家族 変わる食卓」の続編です。2003年以降、2009年までの調査結果が、今度は豊富な写真で紹介されています。
前著も衝撃的でしたが、今回は読み進めるうちに、言いようのない不安感が湧いてきました。それは、一体どこから来るのだろうかと思っていたのですが、先日、電車の中でこの本の頁をめくっているときに思い当たりました。

それは、本音と建前につきまとう「矛盾」の不在です。

好ましい理想的な食事のあり方について語る主婦たち。しかし実態はそこからかなり乖離しているというのがこの調査が明らかにしているところ。ここには主婦たちの本音と建前があるわけです。
ところで、私たちは、本音と乖離した建前を語る場合に、ある種の照れや、後ろめたさを抱きながら語るわけです。これは、ひとりの人間の中で本音と建前が矛盾として結びつけられているからだと思います。
ところが、この本の中で紹介される主婦たちの言葉には、この矛盾が存在しないのです。ひとりの人間の中にまるで二人の人間がいるかのように、本音と建前が共存している。本音と建前がまるで別人になって分裂している、この分裂感。この分裂感に私は言いようのない不安を感じながらこの本を読んでいたのでした。

これは一体何なのか?とてもとても深い深いものが、ここには潜んでいるような気がします。これについては、引き続き、その正体を突き止めるべく考えてゆきたいと思っています。

2011年07月06日

YJS@JZ Brat

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Facebookのスポンサー広告欄に表示された「Young Jazz Summit Vol.1」の文字。そういえば最近、生の演奏、ご無沙汰だなと、ふらっと予約。出演者の名前で知っているのは向井滋春くらいでしょうか。どんな人が出るのか、予備知識もないまま昨夜、渋谷の「JZ Brat」に行ってきました。

20代の若手を、向井滋春と高樹レイがサポートするという企画。
若手ピアニストが4名、宮川純(24歳)、菊池太光(26歳)、寺島優樹(28歳)、若井優也(25歳)、が、同じく若手、大塚義将(25歳)ベース、福森康(26歳)ドラムスと組んだピアノトリオ。さらには、早川惟雅(22歳)サックスが加わるカルテットでの演奏は、どの組み合わせも個性的で演奏の質も高く、何も知らないで行ったにしては、おもいっきり楽しんで帰ってきました。

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2011年07月07日

住宅医スクール東京 第二回目

昨日は住宅医スクール東京の第二回目でした。
午後一番から、1時間半の講義を3つ受講してきました。

住宅医スクールでは築年数のたった住まいを診断しどういう処置が必要かを検討し適切な判断をするための総合的な知識を学ぶことが出来ます。

今回は前回からの続きで

第一講義は「木造建築物の耐久性能と維持管理法 3」(講師:加来照彦)として、建物の建設年代からその建物のおおよその仕様を判断する方法でした。住宅金融公庫の仕様の変遷、サッシュメーカーの仕様の変遷、合板メーカーの仕様の変遷という膨大な資料を分かりやすくまとめてお話いただきました。

第二講義と第三講義は、「木材の劣化と対策」1、2。(講師:桃原郁夫)
木材腐朽菌とシロアリの被害とその対策法。この二コマの講義で、いろいろなところで聞いていたことを整理することが出来たと思います。

講義の後は懇親会。色々なお話を、色々な方とすることができました。

次回は8月3日。今度は構造の話です。今から楽しみです。

2011年07月08日

もうすぐ25万アクセス!

この「af_blog」のアクセスカウンターが、もうすぐ25万アクセスに到達いたします。

恒例の切り番プレゼントを行いたいと思います。
メインの右上のアクセスカウンターに注目してください。
ジャスト25万番目を踏まれた方、および、前後賞、ニアピン賞も用意したいと思いますので、どんどんアクセスしてみてください(笑)。

さて、ブログもTwitterやFacebookと連動するようにしてから、ブログだけの読者がどのくらいいるのだろうか、さっぱりわからなくなってきました。実際に、ブログのコメント欄への書き込みは減少して、かわりにFacebookでコメントを多く頂いております。とすると、ブログのメインページのアクセス数をカウントしていることにどのくらい意味があるのかなと思うようになりました。切り番プレゼントはひとつのお祭りで、やっている私の方も楽しいのですが、ちょっとマンネリ気味の感も拭えません。というわけで、25万アクセスの今回を機に切り番プレゼントをお休みさせていただこうと思います。次回は、ひょっとしたら30万アクセスの時に再開するかもしれませんが、ご了解いただけましたら幸いです。

(9時50分 246757。あと243です。)

2011年07月11日

25万アクセス 達成しました!!

2011年7月11日午後4時50分頃。
af_blogのアクセスカウンターが25万アクセスを突破いたしました。
ここまでやって来れましたのも、我がブログの読者である皆さまがあってこそ。深く深く感謝いたします。
すでに、切り番ゲットの方からも一つ前のニアピン賞の方からもお申し出を受けております。ひとつ後の方、あるいは前後5つくらいはニアピン賞をと考えておりますので、お申し出下さいませ。

ところで、金曜日の朝に「もうすぐ!」などと書いてから、25万アクセス到達まで、なか二日が過ぎて月曜日の夕方になってしまい、ぜんぜんすぐじゃないじゃないか、とお叱りを受けそうです。私としましては、今までの経験から予測を立てているわけですが、今回はズバリ外れてしまったわけですね。というわけで、その理由などを考えたりしています。総アクセス数は300から500/日というペースは変わらないのですが、どうもアクセス元のリンク先に変化があります。ここのところはFacebookからのアクセスが多くなっています。

ブログが登場して日本国民全員がブロガーではないかというくらいに普及して、ブログ巡りが日課になっていた時期がありました。その頃は、毎日毎日、アクセスしてくださる方が少なからずいて、メインページのアクセス数もカウントが上がっていたのですね。

次にはTwitterがブームになって、ブログの更新情報をツイートすると、アクセス数が上がるという現象が起こって面白かった覚えがあります。

そして、最近ではFacebookです。ブログの記事もTwitterのつぶやきもFacebookに表示させていますが、圧倒的にコメントはFacebookでいただくようになりました。どれもがSNSということになりますが、複数のSNSが横断的に絡み合っているとでも言えばいいのでしょうか。インターネットのことをウエッブと言ったりするのは「Web」つまり蜘蛛の巣の喩えなんですが、まさに情報が蜘蛛の巣を伝わるようにあちこちを飛び回っている感じがします。

さてさて、そういうわけで、どうやらブログのアクセスカウンターもその意味がずいぶんと変わってきたというのが正直なところです。そこで、この25万アクセスを機会に切り番プレゼントを終了させていただきたいと考えています。ご了解いただけますようお願いいたします。

「使える!内外装材[活用]シート」---みんなの建材倶楽部

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「使える!内外装材[活用]シート」
著:みんなの建材倶楽部 出版:エクスナレッジ
amazon

設計仲間が本を作りました。
住宅を中心に、世にあまたある建材を使い尽くすための本です。
実はスタート地点では私も関わっていましたので、そういう本の完成はことさら嬉しいものですし、本の出来がいいとなればなおさらです。
設計事務所必携の一冊が出来上がったのではないかと思います。

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2011年07月12日

壁に描いたよ!

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荷物調査に伺ったお宅。
とっても荷物が少なくて、びっくりしていたんですが
荷物が少なくて大きくあいていた壁一面に子供たちが自由に描いていました。
壁はビニールクロス。ビニールクロスならば貼り替えれば良い。
家って、かしこまってばかりいてもつまらない、こういうふうに自由に使ってほしなあと思ったのでした。

2011年07月13日

FLAT HOUSE

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昨日は某所にて出版の打ち合わせ。
本の内容は木の家の本なのですが、詳細な内容はまだ秘密です。

この本は仕掛け人となる編集者がいて
凄腕のイラストレーターに絵解きで木の家を解説する本になるのですが
私の立ち回りは執筆者でありスーパーバイザーというところ。

その凄腕のイラストレーターがSOHOにして使っているのがこのFLAT HOUSE。昨日はそこをお借りしての打ち合わせとなりました。FLAT HOUSEとは「米軍ハウス」。在日米軍兵とその家族のために建てられた家ですが、すでに米軍の管理下にはなく民間の管理になっていて、その独特の雰囲気から人気があり入居は順番待ちになっています。

打ち合わせは午後1時過ぎからはじまりましたが、終わったのが6時過ぎ。5時間ほどの長丁場となりましたが、これまた今までにない良い本になりそうです。

2011年07月15日

TILE

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先日、耐震診断にうかがったKさんのお宅。外壁の半分がタイル貼りになっている昭和9年築の雰囲気のある洋館です。その外観を何気なく見ていたのですが、なんだかちょっと違って柔らかい感じがします。なんだろうと、よく見たら、一枚一枚のタイルの大きさと焼き色が違っていました。そのちょっといびつな感じが、この柔らかな表情を作っていたのですね。

タイルのサイズは50mm二丁で目地は馬踏目地(まぶみめじ)。今でもこのサイズのタイルは外壁材によく使われていますが、最近のタイルは工場生産できっちりとサイズが狂わないようにつくられていて、おまけにこのサイズのタイルはあらかじめ紙に並べて貼ってあり、一気にたくさん貼れて、しかも目地も綺麗に仕上がるようになっています。ですから、このサイズのタイルを使うと、かなり合理的にきっちりときれいに外壁を仕上げることが出来ます。そういう今時のタイルでは、このような味わい深い表情は、やっぱりでません。大きさの幾分違うタイルを一枚づつ貼ってゆかないとこの表情はでないのですね。

2011年07月16日

goma_House---施主検査立会い

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今日は那須烏山の「goma_House」にて、いよいよ完成間近ということで施主検査を行って来ました。一部では設計事務所検査とも呼ばれていますが、私のところでは建主さんに検査をしてもらうということで「施主検査」と呼んでいます。同時に設計者は設計者目線で検査を行い、その結果を建主さんにお伝えして、問題点があれば工務店さんと是正方法を検討することになります。あくまでも検査の主体は建主さんであるという意味で「施主検査」です。
来週の引渡しまでいくつかの小さな残工事と手直しがありましたが良好な施工です。大工工事半ばで今回の震災があり、工務店さんも大変だったことと思いますが、本当にいい仕事をしてくださってありがとうございます。建主さんも喜んでいますよ。

さて、いい感じに出来たので完成見学会をおこないところですが、なにせ交通機関がないところです。自家用車で移動できる方でないとお越しいただけない。でも、しかし、それでも、見学を希望してくださるという奇特な方がおられましたら、24日の日曜日の引渡しのあとにご案内させていただけるように調整したいと思いますので、直接アトリエフルカワまで連絡をお願いいたします。

施工:深谷建設

2011年07月19日

石の上にも何年?

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採集地:奥秩父

2011年07月20日

「<現代家族>の誕生」---岩村暢子

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「<現代家族>の誕生」
著:岩村暢子 出版:勁草書房
amazon

変わる家族 変わる食卓」での「食ドライブ」の調査を補足するものとして「親の顔が見てみたい!」という調査が行われました。「食ドライブ」調査では崩壊した家庭の食卓が報告されたのですが、その崩壊を生んだ原因は一体なんだったのか、という問いかけから、調査対象の主婦たちの親の世代への聞き取り調査「親の顔が見てみたい!」が行われたのです。本書は、その親世代への聞き取り調査をまとめたものです。
副題は「幻想系家族論の死」。

ところで、現在放映中のNHKの連続テレビ小説「おひさま」は、戦前から戦後にかけての時代を生き抜いたひとりの女性が主人公のドラマですが、食べ物がひとつのテーマと言ってもいいくらいにドラマの重要な要素になっています。食べ物が家族を、そして人々をつないでゆくのですね。そして、ちょうど「親の顔が見てみたい!」調査は、この「おひさま」の主人公たちの次の世代が対象となっていて、「おひさま」世代と「親の顔が見てみたい!」世代の二つの世代の間に横たわる大きな距離こそがこの本のテーマなのです。
この「距離」というのは、戦争による日本という国のイデオロギーの大転換と経済の混乱によるものなのですが、その大きな距離について、この本を読みながら「おひさま」をみながら考えてしまうのでした。

というわけで、内容については触れません。
ただ、「変わる家族 変わる食卓」そして、「食ドライブ」の調査の継続報告である「家族の勝手でしょ!」を読まれた方に、この本を読んでみられることをおすすめしたいと思うのです。

2011年07月21日

7年目の「7.dd._House」

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先日、竣工から7年目を迎える「7.dd._House」にお邪魔してきました。
白い腰壁にお子さんたちの絵を発見!
なかなかいいですね。
家を自分たちのものにしてくださっている。
家は建築家の作品でもなんでもありません、というのが私の考え。
このように自由に使っていただいてこその住まいだと思います。

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2011年07月22日

suijin_House---足場とれる・完成見学会予告

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震災の影響で工事の遅れていた「suijin_House」。
今週、足場が取れました。
図面や模型で確認していたかたち。
足場が取れるときは、いつもドキドキです。

さて、少し先になりますが「suijin_House」の完成見学会の予告です。
建主さんのご厚意で次の日程で行わせていただくことになりました。

8月20日 土曜日 午前10時〜午後5時まで
8月21日 日曜日 午前10時〜午前11時半まで

そよ風2も搭載です。


場所は中野区。
詳しい案内は出来上がり次第、お申し込みしていただいた方にお送りいたします。
お申し込みはアトリエフルカワまでメールでお願いします。

施工:河合建築

2011年07月24日

建築家が選んだ建築家展 第6回「わたしたちの食の場」」@タチカワブラインド

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土曜日は、建築家が選んだ建築家展の第6回「わたしたちの食の場」のオープニングパーティに行ってきました。
実は第3回「ちっちゃな家展」では私も参加させていただいた、AtoA・project企画による展覧会です。

銀座のど真ん中、新橋駅から徒歩5分、銀座大通りのタチカワブラインドのショールーム。
地下1階が会場です。
期日は7月30日まで、日曜・月曜は休館なので残り26日~30日の5日間になります。

今回は4組の女性建築家による「わたしたちの食の場」をテーマとした展覧会となっています。というわけで、オープニングパーティのお料理も実に凝ったもの。なんと展示の様子を写真に撮らずにパーティのお料理を撮ってきました。とっても、美味しかったですよ!
展示は30日までです。銀座へ行く用事があったら、ぜひお立ち寄りください。

2011年7月20日(水)ー7月30日(土) 日月祝休み
10:00ー18:00
タチカワ銀座スペースÅtte(オッテ)
東京都中央区銀座8-8-15 B1

2011年07月25日

goma_House---引渡し

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24日の日曜日。大安吉日。
「goma_House」の引渡しでした。
田んぼの稲も元気に育っています。

月曜日の今日、引っ越しとのこと。
お二人と一匹の新しい生活が始まります。

2011年07月26日

goma_House---misc

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私もほしいイームズのLCW。
設計が依頼されたときにはすでに建主さんのお宅にありました。「goma_House」は、この二脚の椅子が似合う家として設計が始まったのです。

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2011年07月27日

「俺たちの旅」

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BS放送が視聴できるようになって、ふとチャンネルを回したらBS Japanでやっているのを発見。すでにドラマは第二部の後半でしたが、残りを最終回まで見てしまいました。

「俺たちの旅」は、1975年10月5日〜1976年10月10日まで46回のドラマで、12歳の私は家族と一緒に一生懸命見ていたのを思い出します。でも、あれだけ一生懸命見ていたはずなのに、ドラマの内容は殆ど忘れていました。小椋佳の歌だけしか覚えていないのですね。

今、あらためて見ると、モラトリアムな青春ドラマだったんだなあと思います。小学生の私には、モラトリアムも何もわからないわけで、ドラマの中に流れる、自由な空気とそれと裏腹な不安感を感じながら見ていたのだと思います。逆にそれが良かったなと、こうして35年以上たって見直していて感じます。それは、ドラマの主人公達に、モラトリアムで責任感のない若者、というレッテルを貼ってしまわないでみること(感じること)ができたからです。

実際に、中村雅俊演じる主人公、津村浩介(通称カースケ)は、ドラマのあちこちで無責任な言動を繰り返しています。最終回でも恋人の洋子との関係をはぐらかします。でも、一方で、人を信じる事や人を愛することについて、強い気持ちをもっているのです。人という存在、人と人との関係に対して無責任であることは決してないのです。その姿はとても真摯なものです。その純真さがこのドラマのキモと言ってもいいでしょう。

当初、半年の予定が1年に延長されたのも、その主人公達の真摯さが多くの人の心を捕まえたからに違いありません。
35年ぶりに見て、やっぱり良いドラマだった、と、思うのでした。

「俺たちの旅」- Wikipedia

2011年07月28日

Third Round---Manu Katche

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Third Round---Manu Katche
2010年録音
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打楽器は面白い。仲間が「ポン!」と叩けば「ポン!」と返す。「ポン!ポン!」とくれば「ポン!ポン!ポン!」と返す。コールアンドレスポンス。音と音との共鳴、共振、ひとつのうねりがうまれます。それだけ、プリミティブな世界が太鼓にはあるのです。だから、最初の一音が魔術のように心を捉えて離さないような太鼓の響きが世の中にはあるのです。

マヌ・カッチェの太鼓の一音は、まさに魔術師の杖の一振りのようです。何か、その一音ですべてが根源にまで引き摺り下ろされて、みんながみんな、平等な舞台に立つ。もうそれだけがすべてになって、ここで演奏されている音楽がジャズだとかフュージョンだとか、まあそんなことはどうでも良くなってしまう。というのが、これまた、マヌ・カッチェの魔術と言えるのではないでしょうか。

マヌ・カッチェの太鼓の響きに身をまかせ、大きな大きなグルーヴに身を横たえる悦びがここにはあるのです。

<蛇足>
Art Ensemble of Chicago もバーカッションが加わってからのほうが より人の心に訴えるようになったのですが、それは、太鼓をたたき合うことが人としてとてもプリミティブな行為なんだからに違いないと思ったりします。

2011年07月29日

「村上ラジオ-大きなかぶ・むずかしいアボカド」---村上春樹

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「村上ラジオ-大きなかぶ・むずかしいアボカド」
著:村上春樹 出版:マガジンハウス
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村上春樹の最新エッセイです。ananに連載されたものをまとめたのだそうです。連載は今も続いているようで、なんともたわいもない短いエッセイ集。

そのなかで印象に残ったのはおにぎりの話。

ananという女性誌に連載エッセイを書くことは、読者である若い世代の女性から、世代的にもカルチャー的にも離れている(と思われる)村上さんにとって難しいのではないか?というような質問をされて、たしかに難しいが、しっかりと握られたおにぎりは気持ちが伝わる、文章も同じようなところがある、と答えた、というお話でした。

しっかりと握られたおにぎり。おいしそうです。

なんだか、いい話を聞いたなあ(読んだなあ)と思ったのでした。

2011年07月31日

静岡で木の家のお話をさせていただきました

既に一昨日。7月29日の金曜日ですが、静岡県の「しずおか優良木材認証審査会」のお招きで木の家のお話をさせていただきました

今回は林材ライターの赤堀楠雄さんとご一緒させて頂きました。
第一部が赤堀さん、私が第二部を努めます。

赤堀さんは豊富なデータをもとに国産材の現在を浮き彫りにするお話をされました。今現在の木材の流通の話などとても興味深い内容でした。特に、お話の最後のほうで、山側は果たしてユーザー側をちゃんと見ているのか?という問題提起があったのが印象的でした。

私の方の話はというと、以下、ちょっと編集してまとめさせていただくと、タイトルは「やっぱり!木の家が欲しい」として、木の家が欲しいというユーザーに対して設計者としてどういう責任が取れるのか、何が出来るのか、そこから木の家の可能性としてのハーフビルドについてお話させていただきました。

設計者の責任としては、木材の品質とはなにかという問いかけと個人的な含水率の計測から、木は生き物だという、あたり前といえばあたり前の発見の話。さらに、木の品質について議論してきた木の研究会の活動の話をさせていただき、一個人事務所では知ることのできなかった「未成熟材」のお話をさせて頂きました。
ここでは業種を越えたネットワークでの研鑽活動をやるべきだとまとめさせていただきました。

また、木造軸組工法の住宅のフルリフォームの設計監理を通じて実感した、木の家の可変性の可能性にふれ、二酸化炭素の貯蔵庫である木材でできた木の家の骨組みを二酸化炭素のストックと考え、それに対して可変性を持ったインフィルを考えてゆくというハーフビルドの家づくりを紹介し、ハーフビルドによる木の家づくりの環境的な意味をお話させて頂きました。

ハーフビルドの家づくりは、家族の成長と共に変化する家を実現するために、可能性を持ったしっかりとした箱を最初に作り、そこに家族の成長と共に間仕切りや建具・家具を加えてゆくことが出来ます。ですから、スケルトンとインフィルに分けて考える木の家づくりは、生活スタイルが変わったからといって建て替えなくてはならない、今までの家づくりと違い、家を長く使い続けてゆくための知恵なのです。(蛇足ながら、昔の民家はスケルトンとインフィルにちゃんと分けて家を作っていました。)

講演会のあとは、関係者による懇親会。静岡の生しらすや黒はんぺん、美味しかったですよ。さらには二次会は、数年前に家づくりの会の仲間と行ったことがある「藍」という飲み屋さん。その時に飲みやすいと何倍も飲んで大失敗した泡盛を今回は一杯にとどめて、林業女子会の元気な面々と夜遅くまで、いろいろな話題で盛り上がったのでした。

静岡の皆さん、ありがとうございました。林業女子会、がんばれ!そして、赤堀様。また、きっとどこかでご一緒させてください。

林業女子会@静岡

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